荷電粒子の場合には、物質との衝突は多数回起こり、検出効率は1に近いことが多いが、 電磁波や検出器が薄い場合には衝突が起こるかどうかは確率的である。 同じ放射線をN本(多数)検出器に入れたとし、それが検出器の中を進むに従ってどれだけ 衝突を起こして検出されていくか、というプロセスは放射能が時間的に崩壊する場合と 同じ形の微分方程式で表される。 したがって、Nの変化は指数関数となる。 この関数から、放射線が散乱(衝突)を受けずに物質中を通過する平均の距離( 平均自由行程λが定義でき、λ=1/(nσ)の 関係にある。ここでnは物質の数密度である。この量から検出効率や必要な検出器の厚さ が評価できる。
中性子やγ線などの電荷をもたない放射線に対しても、この方法は適用できる。 このときは、元々の放射線のもっていたエネルギーの一部分が検出器に与えられる ことが多い(中性子の弾性散乱、γ線のコンプトン散乱)ので別の方法を併用する 必要がある。