OPEN-LAB

             

  大学での教育活動にリアリティを持たせ、大学での学術的な活動と大学外の実践とのコラボレーションを意図し、OPEN-LABと呼ぶ機能的研究グループを組織しています。これまでOPEN-LAB REPORTは六冊出ています。その趣旨は「OPEN-LABシリーズの発足に際して」と題して書かれたレポートの裏表紙に書かれているのでそれを参照して下さい。今後も、不定期にこうした活動を行っていきたいと考えています。ご関心おありの方はご連絡ください。

●バックナンバー

No.1 学習環境としての科学博物館 (1995年7月)

No.2 ティームティーチングの授業ーその現状と問題点ー (1995年7月)

No.3 異なる文化との出会いによるアイデンティティの形成ー保健室と国際学級の調査を通してー (1995年7月)

No.4 国際化する仙台の保育所(園)(1997年4月)

No.5 Report on University of California, San Diego & 5th D (5th D 報告書)
 (2004年6月)

No.6 La Clase Mágica 訪問報告書 -2011 年3 月-  (2011年8月)


 **No.1 と No.5、No.6はダウンロード可能です。ダウンロードされた方はできればご一報下さい。さらに読まれた感想をいただけるとありがたいです。

●OPEN-LABシリーズの発足に際して(OPEN-LAB REPORTより引用)

 OPEN-LABとは開かれた研究室という意味である。これにはさまざま思いが込められているが、大きく2つの点でオープンでありたいと願っている。一つは参加者の開放性、即ち多様性(diversity)であり、もう一つは内容の開放性、即ち日常性である。

 大学では学生と教師が講義、演習、実習などを通してコミュニケーションをすることになるが、その質は必ずしも多声的なものとはなっていない。教師の声を支えに、単声的な疑似対話の場が構成されることがむしろ普通である。テーマに対する知識の量の違いはあるにせよ、本来大学でのコミュニケーションは対話の場であったほうがおもしろいにきまっている。意見の表明があり、反論があり、また沈黙もある。声の響き合いの場であってほしい。

 OPEN-LABは在校生だけでなく、卒業生、またまったく大学と関係のなかった誰かを巻き込む。ある特定のテーマに対して関心を持つ人々の集まりがOPEN-LABである。多様な歴史を持つ人々が集うことによって、「おもしろい」活動が組織される。そんな場でありたい。

 大学での授業のもう一つの特徴は、その内容である。学校的知識に対する批判の多くは義務教育にむけられているが、大学もその例外ではない。大学アカデミズム的知識の再生産に精力を傾け、人々の常識から限りなく離れていっているという声も多い。教科書的常識を離れた現実を見る視点が必要だろう。それがまた歴史的な遺産となり、我々の知識を豊かなものとする。OPEN-LABではアカデミズムの文脈にこだわらない。そこではこれまで振り向かれもされなかったようなものでも、独自の関心によって研究の対象とすることがある。

 この小冊子はこうした願いのもとに組織されたOPEN-LABの研究報告書である。テーマの選定の仕方、テーマに対する切り込み方、テーマの吟味、どれをとっても十分とは言えない。しかし、磨かれていない荒削りの作品だからこそ、表現できることもある。この報告書の主とした役割は「おもしろさ」を追求する人々の活動を組織していく媒体となることである。もちろん読者にとってアイデアブックにでもなれば望外の喜びである。