――米ドルの強さと弱さ――
第三世界で通用範囲が広い通貨は、アメリカのドルである。いきおい第三世界での旅行では100ドル札を用意していくことになる。皮肉にも、アメリカ本国では、クレジットカードでの支払いが普及して、100ドルも現金で支払うことは少ない。高額紙幣はかえって偽物と疑われて、アメリカ国内での使用には不便であると聞いた。

世界的に広く流通していると、悪者にねらわれやすい。PCでいえば、windowsやoutlook expressを狙ったウイルスは多いが、linuxやMACを狙ったものはあまり聞かない。同様に偽札を作るのであれば、ドル紙幣を作ろうとするのだろう。


――石貨の流通範囲――
ミクロネシア、ヤップ島の石貨は直径4メートルのものもある。大きいものが価値が高いわけではない。使われた履歴が問題で、それぞれの貨幣が刻んできた歴史が石の価値を決めている。貨幣が個別に認識され、来歴が話題になることは、高額の美術品のようである。

石貨一枚で殺人事件の賠償や、村落間の和解に充てることができるほどで、その価値は非常に高い。しかし、流通している範囲は、ほとんどヤップ島の中、人口1万人強の間である。そもそも石貨の持ち主が変わったとしても、重くて場所を移すことができない。元の場所に据えられたままで、所有者がかわったことが了解されるだけだ。しかも、この金で日用品は買えない。

このような地域限定、使途限定のものは、日本でも地域の商店街振興のためやヴォランティア活動振興のために使われている。


――一国で複数の通貨――
イギリスではイングランド銀行が貨幣を発行している。しかしイギリスの一部のスコットランドではこれ以外の3つの銀行もそれぞれ紙幣を発行している。これらの紙幣は図柄が異なるが、経済的には同じである。スコットランドでは4種類の発行元の紙幣を混ぜて使用することができる。スコットランド以外のイギリス(イングランドとウェールズ)で一般の商店にもっていった場合は、その時次第である。つまり、使えることも、割り引かれることも、拒否されることもあるようだ。

これ以外にもイギリス領ではマン島、チャンネル諸島、ジブラルタル(世界のコミュニティ8)、フォークランド諸島で独自のポンド通貨を発行している。これらを当該地域から持ち出した場合は、イギリス内であれば銀行で交換できる。

つまりイギリス内ではイングランド銀行発行の貨幣が一番広い流通範囲を持っており、国外でもポンド→円などと換金できる。その他の貨幣も、合法的で同じ価値であるが、流通範囲は狭くなっている。


――通用期間も限定――
通用する地域だけではなく、通用期間も限定の紙幣もある。写真はジンバブウェの紙幣であるが、2004年12月31日まで有効、と読める。ジンバブウェでは2000年頃からの白人追い出し政策の余波で経済混乱も進行しており、こんな紙幣も登場してしまった。この写真は2005年8月に撮影した。その時には上記の期限過ぎであったが、まだ使用可能であった。

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通貨の流通範囲