先回の「地域のきまり」にお便りをいただいたので、これらを巡って話そう。

――エスカレーターで左右のどちらに立つ?――
「急ぐ人のために右側を空ける」というのは、全国共通のルールではなく、関東と関西では左右が逆のようだ。
片側を空けるルールは、駅では徹底しているが、デパート内ではそうでもない。通勤客がいる場と、買い物客が散策する場では違うだろう。

駅によっては「左側に立つように」と掲示して積極的に整理しているところもある。こうすると、実際にエスカレーターが運ぶ人の数は増えるのだろうか。あるいは、前をふさがれてイライラする人を少なくする効果だけであろうか。



――片側に立つべきか?――
エスカレーターの製造者からは、片側に立つことは歓迎されない。左右の加重がアンバランスな状態での運用は、機械としてのエスカレーターにはよくない。左右均一の使い方が理想だろう。

バランスを取るべきなのは、他の機械でも同様である。自動車に一人で乗ると、運転席周辺に重量がかかる。均等だけを説くのであれば、運転席を左右に交代できる車、時には後ろ向きに走る車も面白い。タイヤのローテーションよりも運転席や進行方向をローテーションしたほうが効果的だ。われわれも時々逆立ちして世間を見てもよいだろう。


もし、坂が多い町で、エスカレーターを設置したら、どんなルールになるだろうか。たとえば長崎のグラバー園のエスカレーターのようなものだ。利用者が立つ位置の右・左、有料・無料、ペット可・不可、自転車可・不可などの項目である。すでに紹介したインドのシムラでは、熱海の海岸のような崖が続いている。この上下を結んで有料のエレベーターが運行している。観光客だけでなく、地元の方も利用していた。





――通行方向も自在――
エスカレーターを2機ならべ、上下に運行させることがある。対面するエスカレーターを右側通行で動かすか、左側通行にするかは自由である。

もし、関東風にエスカレーターのステップの左に立って、右側通行で運転すれば、対向するエスカレーターに乗る人とお互いに離れるような位置取りになる(上図)。左側通行であれば、上下に行く人がそれぞれ近い距離ですれ違う(下図)。二つの図で示したエレベーターは池袋の数十メートルしか離れていないところに位置している。

エスカレーターの運行方向自体を時間帯によって反転させているところもあると聞いた。







――近隣との関係――
留守にする時に鍵を掛けるかどうかも地域によってずいぶん違う。また、来訪者への対応にも、地域差がある。ドアホンですぐに断られる所もある。玄関で声をかけて反応がないと、庭にまわってのぞき込んでみるのが当然の地域もある。

先輩が千葉県の東端に越した。そこでは、朝8時過ぎまで雨戸を閉めていると、「何かあったのでは」と近所の方が声をかけにやってくると言っていた。

この先輩が私が住む町(郊外のニュータウン)に越してきたら、ここでの近所の関係は、ずいぶん冷たいと感じるだろう。また、ここに住む私が、都心の集中ロックのマンションへ友人を訪ねると、玄関に入るまでの対応がとても水くさく感じる。
どの程度のつきあいが適切か、悩ましい。少なくとも私の町では近所の方(と犬)の顔が分かっていることは、大きな利点であろう。






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地域のきまり 2