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共有する事

 
 渡辺淳一のエッセイでこんなのがある。「『そばをすするズズッという音がいやで、好きな人の前ではそばを食べない』と銀座のママが言っている。著者はママに同感しつつも、『俺の前では食べているじゃないか、こんちくしょう』と思う」

 飲んだり、食べたりの生理に関することは盛大に公開することははばかられる時もある。だから、このママのように食べる情景を隠すことが品位を保つ方途にもなっている。逆に、これらのことを共有してしまえば、共有したもの同士に特別の関係性を確立されることにもなる。これに類する行為としては、一緒にスポーツをして汗をかく、一緒に喫煙する、(あまり活動的ではないが)一緒にごろ寝する、などもあるだろう。一緒に排便するなんていうのもあるかもしれない。いわゆる、連れションですね。

 多くの人と共有することは少ないが、生活上重要な事象は、生理的な行為だけではない。ダンス、言葉、などでは100名以下で共有されるものもある。

  ここ
(準備中)で紹介しているダンスは、創始者がおり、タンザニア内で1チームしかない。また、絶滅しそうな言語を話す、最後の数人がマスコミで紹介されることもある。

 ダンスも言語も非常に重要な生活上の要素で、それを共有する人の数が極端に少ない場合がたしかにある。

 特殊な趣味の場合はどうだろうか。日本に無線機器取り扱いの資格を持つ人は300万人台の数でいる。その中で無線局を開局して、アマチュア局のコールを持っている人は100万人台、そのなかでモールス信号を扱う資格があるのが、10万人台、そして実際に使用しているのが1万人台である。

  モールス信号はアルファベット、数字、記号を長短の符号であらわしている。これは、アイウエオを表現することもでき、実際、和文モールスというものも存在している。これを操る人は、1000人程度といわれている。欧文モールスであれば、世界に共通して交信できるが、和文モールスは日本限定だ。同様にハングル文字をモールス信号で表す通信もある。これは使用者がさらに限定される。

 しかし、和文、ハングルのモールスは孤立した趣味というよりも、欧文のモールスとつながりがあり、あるいは無線全体の大きな趣味の一派とも捉えることができる。また、この趣味の世界が、本人の生活上、どの程度重要な要素になっているかは、さまざまであろう。


  生理的な事象の共有は、小人数、重要な要素、という条件が親密さをます条件であった。趣味も親密さを増すのに役立つが、共有するのが小人数である必要はかならずしもないようだ。

  今回は、あまりマラウィとは関係ありませんでしたが、マラウィで記述しました。