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SADC 会議の開 催



  SADCの会議が、参加14ヶ国中、13カ国の首脳の出席を得て、マラウィで2001年8月9日から11日まで開催された。

  SADCとは、Southern African Development Community(南部アフリカ開発共同体)の略で、1992年に設置された。アフリカ南部地域の統一市場、さらに文化、安全保障面での協力もにらんでいる。従来は、南部アフリカ諸国は、アパルトヘイト下の南アと対決する体制であったが、SADCは南アを重要メンバーとして取り込もうとする姿勢でつくられた。そして、1994年に南アも加入した。



  会議は、首都のリロングウェではなく、南部の中心地で、人口的には一番大きなブランタイヤを中心に開催される。各国からの代表団は約600名で、5〜6億円の経費が必要になる。空港への道路、ブランタイヤ市内の道路は、6月から改修がすすめられている。また、政府予算ではないが、ブランタイヤの中心的なホテルもフェイスアップをおこなっている。

  現在、マラウィのムルジ大統領は、SADCの副議長であるが、今回の会議でナミビアの大統領のあとをついで、議長に就任する予定になっている。これで議長になるのは2回目である。



  数億円の出費をして、会議を主催する事への懸念も多かった。

  国庫には慢性的に金がないのだ。5月には、国家公務員の2週間のレイオフを実施して、節約を試みた。また、大学への補助金が出ず、授業がスタートできない状態も、4〜5月には続いていた。

  マラウィ政府は、昨年(2000年)、メルセデスベンツを39台購入した。

  この件では、最大の援助国のイギリスからクレイムがついた。つまり、39台のSクラスのベンツは3億円程度(つまり、1台7〜800万円)になる。ベンツの使用目的は、各省の大臣、局長の公用車である。「薬もない病院がある一方で、イギリス人の血税からの援助が、一部の高級官僚に贅沢に使われるのはけしからん」との主張である。

  イギリスは、目下のところ、マラウィの最大の援助国であり、その意向は影響力がある。ちなみに、日本も1位だったことがあり(1994年)、現在も2位か3位だ。

  たしかに、この主張には説得力がある。マラウィ政府も、仕方なく、そのベンツを売りに出した。しかし、Sクラスの新車のベンツは簡単には売れない。ほとんど売却できないままであった。

  それが今回のSADCで、外国からの高官に配置するために、使用する事になったという。「そのまま買い手がなくても、一年で30パーセントも値が下がってしまう。どうせなら使おう」ということになった。



  私の感想としては、まず、大きな無駄遣いをした、と思う。

  次に、外国からの高官に34台(はじめは39台であったが、後の報道では34台。5台は売れたのかもしれない)ものベンツを配備する必要があるのだろうか、と疑問に思った。

  一般に国際会議を開催する場合の手順について、私は門外漢で分からない。しかし、関係国の大使館が、マラウィ内にある場合もあろう。大使館がない国でも、いわゆる使節団が乗り込んでくるのであるから、総務的な役割分担の者もいるはずだ。大使館や、代表団自らが車の手配はすればいいのだ。マラウィは、近隣国が認める小国であるから、ベンツを多数配置するほど頑張らなくてもいいのではないか。


  しかし、マラウィにとってSADC開催は、たんに現大統領が議長職を得て南部アフリカの名士になるだけではなく、利点もある。

  SADCとして先進国から受けている援助がある。それで、マラウィからモザンビークのMulozaやNacalaにむけての交通網の整備、野生動物保護、などが実施される見込みだ。これらを合計すれば、マラウィが使用する予算の数倍にはなる。けっしてホストを務めて、名誉を得るだけでなく、実質的も利益がある見込みだ。



  はじめは、懐疑的に思っていた開催である。しかし、すでに開催と決まった以上、無事故・大成功で終え、マラウィの利益になって欲しいと思う。マラウィ在住者としては、やはり身びいきに、考えてしまう。