マラウィの場合

  パソコンを使う人は、大学内には数多くいる。彼らの使っているPCは、援助で大学に入ったもの、国外に研修に出かけたときに購入して持ち帰ったもの、あるいは南アなどから取り寄せて購入したものである。

  大学のパソコンの実習室はいつも多くの学生がいて、盛況である。画面は800×600ピクセルが多いが、10台程度並んで、真剣に取り組んでいる。

  マラウィ大学ではLANはまだ、図書館内でしか設置されていない。しかし、図書館内のLANでは図書の検索、貸し出し状況の把握などができ、実用度は高い。

  1999年に発足した、マラウィ2番目のムズズ大学もLAN設置に積極的に取り組んでいる。しかし、こちらの計画も、各教室、研究室を結ぶ規模ではなく、図書館のいくつかの部屋と、主要事務室を結ぶ程度である。

  マラウィ内のプロバイダーの状況についてはすでに触れたが、SDNPが開設している半官半民のプロバイダーは、マラウィ大学のポリテク校にサーバーを置いている。ゾンバのチャンセラー校にもその子サーバーがある。しかし、ここには外部からのダイヤルアップのための回線が2回線で登録者が10名だという(2000年9月現在)。回線数は非常に少ないが、大学でサーバーを管理運営していく体制はできている。


  日本のパソコンショップのようにパソコンの本体を店頭で販売している店はマラウィでは見かけない。マラウィ内の店では本体ではなく、周辺機器の一部とサプライ用品しか見かけない。つまり、プリンターのインク、用紙、モデム、CDドライブの清掃ディスク、簡単な統合ソフト、くらいである。本体は、取り寄せれば入手可能である。

どの程度の価格か、下に例を示す(2001年前半の時点)。

PCカード型のモデム インターナショナル対応 56K 30000円
外付けのモデム 56K 18000円
CD-Rメディア 520円 ケースなしの状態で300円程度で売っているところもある。
CD-RWメディア 750円


  本体を売っていないといって、必ずしも最新のモデルがないわけではない。自動車では、本国で発売されたモデルが各国の仕様にあわせて販売されるまで、半年も1年もかかる。しかし、PCでは部品を持ち込んで、人件費、輸送費などの面で有利な国で組み立てる事は普通だ。マラウィで入手されるPCは南アやボツワナで組み立てられている。また、マラウィ人が直接、ヨーロッパやアメリカへ出かけ、必要なものを抱えて帰ってくる事もよくある。



ジンバブウェの場合


  本体が販売されていない様子は、ジンバブウェでも同じだ。

  これは、日本の量販店にパソコンがずらりと並んでいるような風景を期待するほうが間違いであろう。マラウィ、1000万人、ジンバブウェ1200万人の人口で、ジンバブウェのほうが経済規模はマラウィの四倍近い。そのジンバブウェも、人口では日本の10分の1、経済規模で800〜900分の1である。パソコンの需要自体が少ない。電気店で販売しているものは、冷蔵庫、ステレオ、テレビ、アイロンが主体である。

  最新のPCもある、しかし、それを十分に保守点検していく体制は、利用者が少ないので難しい。という事情はマラウィと一緒だ。

  首都のホテルのビジネスセンターで、4台のPCの内、1台しか稼動していなかった。これは、他の3台のマウスが壊れていたからだ。地方の有名ホテルのビジネスセンターでインターネット接続ができなくなっていた。しばらく前からモデムが壊れているという。マウスやモデムが壊れ、すぐに購入の手当てをする財務上の体制も難しいのだ。



マラウィの評価


  マラウィの場合、電気が自宅に来ている世帯は、人口の一割程度である。つまり、100万人だ。そして、電話線は、100人に0.4回線、つまり、4万回線である。この背景では現在のPCの利用は、やむを得ない水準なのかもしれない。


  情報リテラシーも一方では高めたい。しかし、その一方で、その前提となる電話回線、電灯線の整備、もっと言えば安全な水、医薬品がある病院、教科書がある学校を確保しなくてはならない。

  マラウィだけではないが、為政者はつねに多くの面をみて舵を取ることが要求されている。

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