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タバコ栽培 

  マラウィの主要輸出品は、タバコで、輸出額の60〜70パーセントを占めている。また、360万人の労働人口の内、160万人がタバコ関連の産業についている。つまり、タバコがマラウィ経済を大きく支えているのである。

  タバコは世界100ヵ国以上とほとんどの国で栽培されているが、たしかにマラウィでは各所でタバコの畑が目立つ。マラウィではバーレー種と黄色種が栽培されている。
















タバコの苗床























雨季の直前には、プランテーションで多くの人が苗を移植している様子が見られる。






















畑に移植した直後のタバコ



  タバコをめぐっては、以下のような問題がある。いずれも数値的にははっきりしない問題だが、紹介しよう。

  まず、一品に頼った輸出は、国際的な価格の変動や病疫を考えると危険である。次項で触れる健康問題にも関係して、マラウィではタバコを補完する作物が求められてきた。今は、パプリカがその候補になり、栽培が進めらている。

  パプリカは食物を赤く彩色したり、パプリカドレッシングを作るのに用いられる。辛味がないので甘トウガラシとも呼ばれる。

  パプリカはスペイン、ハンガリーで独占的に栽培されていたが、今は他国でも種子を入手して栽培できる。しかし、パプリカの種はハイブリッド種で毎年購入の必要があり、販売ルートも農家と仲買人との直接交渉だけである。少しずつ栽培量は増えているが、近い将来、タバコの生産を補完するするような存在になるペースではない。


  世界的にタバコの健康への影響が認識され、嫌煙権運動も広がっている。こうした中でタバコの生産に頼りつづけるのも危険だ。しかし、第三世界を中心にあらたなタバコの需要もある。世界的な規模で見れば、あと10〜20年は需要は十分にあると予想されている。



























生育中のタバコ
右後方の丘は、シロアリの塚

タバコの花




















収穫したバーレー種の葉を小屋に吊るしてある(air cure)
















煙管を室内に取り回して高温の室内で収穫後の処理をする(flue cure)種類もある。
円形の室は比較的珍しい

flue cureの室の内部















収穫が終われば、残った茎も完全に引き抜いてしまう。



タバコの集荷風景など





  マラウィ内のタバコ、チャのプランテーションでは児童労働に頼るところが多いようだ。大規模なプランテーションは、イギリス、ギリシャ、イタリアなどを出身国とする白人所有者に管理されている。彼らはマラウィで生まれ、すでにマラウィ国籍になっている。このような農園での労働条件の悪さが漏れ聞こえる。ジンバブウェで起こったような、黒人労働者による白人農場の占拠事件がマラウィでも1990年代に起こった。この時はマラウィ政府は迅速に対応して占拠者をすぐに排除した(ジンバブウェの場合は、政府は、迫っている大統領選挙への思惑もあって、占拠を黙認していた)。

  タバコもチャもほとんどが輸出されるが、その輸出先や関係企業は、児童労働・人権に関心が深い、いわゆる先進国にある。マラウィの作物を堂々と輸出するために児童労働に頼っている体質を改善しなくてはならない。しかし、本当に実行すれば、賃金は上がり、競争力は落ちてしまう事も明白だ。したがって、児童労働は、ときどき話題になるだけで、具体的に改善に向けての施策はとられていない。