○ほとんど日本車

 日本車が多いことはマラウィに限らず東・南部アフリカで共通だ。日本車以外は、官僚の公用車としてベンツ、警察のピックアップとしてランドローバー、が目立つ程度だ。ベンツと競合するためか、大き目の日本製のセダンであるクラウンやセドリックなどは見かけない。

 マラウィ国内にはノックダウンの工場もないので、自動車の価格は高い。マラウィトヨタで新車を購入するといくらになるか尋ねた。税金を払う場合と、公用車扱いで無税の場合と2通りの価格があったが、どちらも私には非現実的に高い価格であったので、すでに忘れてしまった。税金を払えば日本での2倍以上したと思う。

 日本やヨーロッパ、南アから中古車がマラウィに入ってきている。中古車には日本製が非常に多い。

とくにワンボックスカーでは日本車以外は見かけないほどだ。ワンボックスカーはミニバスとして旅客を運ぶために使われている。都市には中古車展示場もあり、複数台の車が並んでいる。スーパーマーケットの掲示板に「車売ります」の掲示も出ている。タンザニアの掲示では、単に「車売ります。連絡は……へ」となっていて、価格も年式も提示していないのが一般的だ。マラウィでも半分以上は同様だが、なかにはこれらの情報が明記されていたり、展示場に並んでいるものもある。このほうが安心してコンタクトできる。

日本では価格がつかない、10年以上たったカローラやサニーも4000ドルくらいで掲示されている。



○検問

 南部アフリカの他国と比較して、マラウィでは警察官による検問の頻度が高い。タンザニアからマラウィの最北部に入国して、北部のカロンガに着くまでに2箇所、ムズズまでに3箇所、リロングウェまでに3箇所、ブランタイヤまでに3箇所程度がある。合計800キロメートルで11箇所だ。場所はほとんど固定しているが、やや面倒である。

 点検している内容は、車の種類によって違うようだ。個人の自動車を運転している場合は、聞かれる内容は「どこからどこへ行くのか」「免許証の所持」「保険の有効期限」「事故表示用の三角表示板の携行」くらいである。

警察官と一緒に税関の役人がいて、自動車の一時輸入許可証の提示を求めることもある。たいした点検内容ではないので、検問の意味があるのか不思議に思う事もある。しかし、マラウィ以外のナンバーの自動車には、上記の質問も有効かもしれない。検問にあたっている警察官や軍人はにこやかで、丁寧に挨拶している。でもなにか不備があると豹変するのだろう。それよりも毎回面倒なのでこの検問が少なくなって欲しい。

 ミニバスの場合は、乗客数、車両の整備状態、などをチェックしている。これは安全チャックだ。乗客がいても、その場で運転手が逮捕されたこともある。乗客はやむを得ず降車して他のバスを拾っていた。

 ミニバスの乗客に対しての荷物の点検もある。高価なものを持っていると領収書を出せと言われる。これは窃盗に対する警戒であろう。国境付近の場合は、国外からパスポートなしで入国している人もいるので、怪しい人はどこから来たか尋ねられる。




○盗難車

 2000年1年間で、警察に被害が届けられた114台の盗難について50台が発見され回収された。50台の内、22台はマラウィ内、11台はモザンビーク内、17台はザンビア内での発見であった。内陸国のマラウィでは盗難車の隣接国への運び出しも、その逆も見られる。

 114台の内50台の発見は多いのか、少ないのか。他の国の事情は分からないが、もしマラウィで自動車盗難にあったら半分以下しか回収できないと覚悟しなければならない。自動車の盗難は、給与水準からして日本人にとってよりもずっと大きな打撃であろう。

 国外で見つかる自動車があることも印象的だ。

国外で見つかるということはインターポール(国際刑事警察機構)がそれなりに機能しているということだ。逆にインターポールのために自動車を取り上げられる人も出ている。南アで盗まれた自動車が偽装されてマラウィ内で売られ、それを正規に購入したが盗難車と分かって取り上げられる例だ。また、南ア内で前所有者が自動車をマラウィ人に売り、のちにその車が盗まれたとして保険金を請求する例もある。この場合も自動車は盗まれたとレポートされているのでインターポールに一時的ではあっても取り上げられてしまう。




○スピード取締

 マラウィで自動車を運転して安心できることもある。それはスピードガンによるレーダー取締がないことだ。隣国ではタンザニア、モザンビークで実施され、ジンバブウェ、ザンビア、南アでは今のところ私は遭遇していない。

 タンザニアやモザンビークで警察官が持っているスピードガンは手持ちの拡声器ほどの大きさで、車に狙いを定めて測定する。モザンビークでは三脚に設置するものもある。これがあると、市街地でのスピード制限に過敏になってしまい、時速50キロや30キロ制限を一生懸命に守ろうとする。事故対策には有効かもしれないが、運転者は結構疲れる。

 マラウィは郊外では80キロ制限であるが、事実上守られていない。見通しが悪く、しかも高速がでるカーブは随所にあるので、交通事故は絶えない。事故が多いという意味ではまったく安心できない。




○国外の車の通行
 マラウィの車がモザンビークのベイラ港へガソリンの運搬に出かけている。「川の増水に巻き込まれて街道で10台が立ち往生している」などと報道されることがある。

 タンザニアのトラックやタンクローリーが、マラウィ内を走っていることもある。これらの車はマラウィ内の自動車保険に加入し、車の一時輸入許可を取っていれば自由に通行できる。一時輸入許可は1ヶ月有効であるが、理由があれば延長可能だ。

 これらの車のドライバーは、出身国の運転免許証を持つのみで、マラウィの免許ではない。これも入国してから3ヶ月までは問題ない。警察官に「いつ入国したか」と尋ねられたことはなく、彼らもこの規則でドライバーを取り締まる意思はないようだ。SADCで共通の運転免許証を発行する動きもあるようだ。

私はマラウィではタンザニアの免許証を常用している。日本の国際免許証は有効期限が1年間である。これに対してタンザニアの免許証は3年間で、更新の面倒がずっと少ない。料金も10000タンザニアシル(約1500円)で日本の1年間分より安い。




 

 


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