レジデント料金と言うものがある。マラウィ人、あるいはマラウィに長期間滞在して専門家、事業主などとして働いている人(Temporary Employment Permitをもっている人ということだが)は、マラウィのレジデント(居住者)とされ、観光・商用での一時滞在者や単なる通過者より安い料金設定がされている。これは都市部のホテルで見られる。

  たとえば、マラウィ南部の中心都市のブランタイヤで一番良いとされるホテルはMt. Soche Hotelである。このホテルにnon residentで泊まるとシングルで169ドル+税金20パーセントを請求される。レジデントだと3,500K(約50ドル、2000年9月現在)+税金20パーセントの4,200Kで泊まる事ができる。non residentは3倍も払っている事になり、違いが大きいのに驚く。

  2001年1月には上記ホテルは4005K。北部のムズズホテルは2950K(resident)と115ドル(non resident)だ。(01/01改訂)

  ホテル料金は、団体の大きさやシーズンによって変動し、複雑だとは聞いている。non residentの169ドルも、レセプションで値引きをお願いすると120ドルになるし、residentの4,200Kが4,440Kになっていた時もあった。それにしても、non residentとresidentの差は大きい事は否定できない。

  このようなレジデント料金の設定はタンザニアの都市部のホテル、ケニアの博物館にも見られる。中・南部アフリカでは、南アフリカ、スワジランド、ボツワナ、モザンビーク、ザンビアではこのような制度には気づかなかった。もしあれば教えてほしい。かえって、ジンバブウェではホテル料金の税金が、ドル払いの場合は2パーセントであるのに対し、ジンバブウェ・ドルで支払うと20パーセントになり、高くなる。

  ケニアの博物館の料金は、その価格自体が低いので、ここでは置いておく。


  どのようにして、こんな制度ができたのであろうか。おおよそ以下のような過程であろう。

○金持ちの外国人観光客から充分に収入を得るため、良い設備で高い料金を設定した。しかし、これだけではresidentに安い料金を設定している理由にならない。誰にたいしても高額を請求すれば良いだけである。

○都市の中心的なホテルは、residentも利用する場合がある。たとえば、政府高官の出張、大きな会議の開催、などの機会である。この時、non resident対象の料金体系だとresidentは対応できず、安い料金設定が生まれた。

○non residentがresident料金の存在を知ると、「不公平だ」と感じるので、ホテルのレセプションの表示や旅行ガイド執筆者からの問い合せには、ドル表示のnon resident料金しか示さない。
というプロセスであったろう。


  さて、このような料金体系の是非はいかがであろうか。以下のように非難する事もできる。

1)同等のサービスに対して異なる料金を請求するのはフェアでない。

2)residentに安い料金で提供しているのは、都市部の高級ホテルを利用する可能性が高い政府高官などの利益に沿ったものだ。役人の圧力、あるいはホテル側のおもねりを感じ、不愉快である。

3)観光ビザの申請者に必要以上に細かく尋ねたり、入国時に外貨の申請をさせるようなもので、このような制度は観光客に嫌われる遅れた制度である。


  それなりに説得力があるが、反論を試みよう。
1)に対して、同じようなサービスであってもTPOによって料金が異なることはよくある事である。町のbottle storeとよばれるバーでビールを飲めば、一本25Kであるが、上記のホテルでは55Kである。私が泊まっているところでは35Kであった。これらは周りの雰囲気が異なっている場合だ。さらに、同じものを同じ所で売っていても交渉次第で価格が異なるのは、とくにみやげ物では、よくある事だ。

2)に対して、都市部のホテルは会議の会場、会食の場としても重要で、地域の中心点のひとつにもなる。ホテルとしても、residentに値引きしても、地域の重鎮が集まったほうがメリットがあることもある。会議で多人数の部屋を確保したりすれば、主催者は値引き交渉を当然行うだろう。ホテルとしても、多人数の利用を確保できるから、値引きにも応じる。したがって、レジデント料金は一方的にレジデントが得をしているのではなく、ホテルとの交渉の結果であり、ホテルも納得して設定しているのではないか。

3)に対して、たしかに観光客には、この制度はありがくない。3倍もの料金の差があるのではなく、徐々に差を少なくしていってほしい。



  したがって、私としては「レジデンス料金打倒」を声高に主張するつもりはない。その存在もやむを得ないかと思い、時々不愉快に思う自分の気持ちをなだめるだけである。

2点を追記する。

○すでに私はresidentになっている。したがって、新米のresidentからnon residentの支払いを眺めると、得した気分を抑える事ができない。この制度は、residentをウフフと喜ばせるためにあるということはないでしょうね。

○non residentであってもresidentとして宿泊する方法も複数ある。その一つを示せば、ホテルのレセプションに直接行かないで、あらかじめ旅行業者からresidentとして予約を入れておくことだ。旅行業者は眼前の顧客がresidentであるかnon residentであるかに頓着せず予約を入れるが、ホテルのレセプションだと、「residentであることを示す書類をお願いします」となる事も多い。ホテルが旅行業者からの予約で受け付けたレジデント料金を、レセプションの場所で資格点検する事態はないだろう。


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レジデント料金はやむをえない制度か