○美しい花

 タバコはナス科で、ナスのように花弁の元がくっついた筒状の花を咲かせる。ナスよりも細長い花だ。

 タバコ栽培では一般的には花は咲かせないで摘んでしまう。開花に費やされる養分を葉にまわし、十分にニコチンを蓄えさせるためだ。広い農場の中には何本か摘み残された花穂があり、花を発見することが出来る。花なしのタバコの群れの中で咲いているピンク色の花は、非常に美しい(写真f)。

 種類によっては葉を収穫した後で花が咲くものもある。この花は放置され勝手に咲いている。この花はありふれてそんなに美しく見えない。これは、べつに花の責任ではなく、こちらの主観だ。

 観賞するためのハナタバコ(写真g)、イワタバコもあるが、後者はイワタバコ科でタバコとは縁遠い。



 
写真f: 切り取り忘れた花穂から咲くタバコの花。 2001年撮影






写真g: 花タバコ。栃木県にて。 2002年撮影

○やっかいな課題
 タバコやチャの大規模農場で問題になっているのは、長時間の低賃金労働だ。とくに子供が従事していることが問題になっている。

 タバコは葉がいっせいに成長して同時にニコチンを貯めるわけではない。下のほうの葉から次第に熟し、下の葉から順に取り込む。したがって人手による選別しながらの作業が必要で、機械で一括の収穫が出来ないのである。
 日本でもタバコを盛大に栽培していた時期もあった。しかし、収穫と後処理に手間がかかり対応できないので次第に栽培されなくなった。

 「子供の福祉と勉学の観点から子供がタバコの収穫に携わることは好ましくない」とアピールしている国内外のグループがある。一方で、「もし本当に大人だけで収穫をしたならば賃金の支払いが巨額になり、タバコの国際競争力が落ち、マラウィ全体としてさらに貧乏になる」と心配している人もいる。これは厄介な問題だ。同様な問題はマラウィ以外でも抱えているに違いない。

 この問題についてどちらが正しいかを即断することは出来ない。多くの条件が関係していて、それぞれがオールorナッシングではなく、定量的に関係している。たとえば、気候条件として雨量が例年より10パーセント多い場合と少ない場合。農園主の取り分を5パーセント多くした場合とその反対。税率を変えた場合。中学校で学ぶ生徒の数が増減した場合。政府が決める最低賃金の増加率が変わった場合。などである。

 もちろん「定量的問題なので単純な解決方法がない」といって現状を追認するだけではいけない。「子供の福祉と勉学も保障し、タバコ産業も栄える」とすべてうまくいくところに目標を設定して方策を模索し続けるべきだ。


○消費方法
 タバコを利用の形態から、スナッフタバコ(嗅ぎタバコ)、噛みタバコ、紙タバコ(紙巻きタバコ)、葉巻、刻みタバコ、に分けることが普通だ。

 スナッフタバコはタバコの葉をすりつぶした粉末をソーダ(ナトリウム化合物)の粉末と一緒に鼻から吸入するものだ。鼻に直接入るので強力な効き目があるらしい。私はタンザニア北部の遊牧民が利用する光景をよく見ていた。スナッフタバコを利用する人は、鼻の下がタバコの粉末の色、黄色〜濃い緑色、になっているのですぐに分かる。タバコが南米から伝わったばかりの16世紀後半のフランス上流社会ではパイプタバコは嫌われたが、スナッフタバコは利用されていたようだ。やんごとなき方々も鼻の下を黄色くしていたのだろうか。あるいは利用の都度、鼻の下をきれいに拭いて、かえって赤くなっていたのだろうか。

 噛みタバコはチューイングするタバコだ。
 葉巻は文字通りタバコの葉を巻いたもので今では大時代的に感じる。大げさなゆえにさまざまなシーンの小道具として登場している。

 刻みタバコは日本ではキセルにいれて、シャーロック・ホームズはパイプに入れて喫していた。キセルに入れるものとパイプに入れるものはやや異なっているが、ここでは大同について、同じく刻みタバコとしておく。

 刻んであるタバコを自分で紙に巻く「セルフ紙巻きタバコ」スタイルもある。これは最終的には紙タバコの形になるので、紙タバコの範疇かと思いきや、購入時の形態に注目して刻みタバコに分類するようだ。

 タンザニアの田舎で小規模にタバコを栽培し、写真hのように葉を丸めて球形にして流通している。これを手でほぐして新聞紙などで巻いて、紙のはじにつばなどつけて止め、紙タバコにして利用する。先の「セルフ紙巻きタバコ」→タバコ購入時の形態から「刻みタバコ」に分類、の例からして「球タバコ」とするのはどうだろうか。あるいは喫煙直前の作業に注目して「ほぐしタバコ」とするのはどうだろう。


写真h: 「球タバコ」。タンザニア南西部にて。
タバコのまとめ 2/3に戻る



タバコのindexに戻る

タバコに戻る


マラウィ タバコのまとめ 3/3