第6回世田谷の地名 −世田谷線の駅名から−
| はじめに | 地名というテーマは以前から興味のあった分野であり、今回発表のテーマに取り上げるに当たって、なじみ深く資料が手に入りやすいこともあって、自分の住む世田谷区の地名の由来に注目した。しかし、世田谷区全体となると、小字の量が膨大だったので、世田谷区を走る二両編成の路面電車、世田谷線(旧玉電)の駅名に絞り、それに関連する地域研究を行った。 路線図 |
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世田谷線沿革 |
○玉電の開通から世田谷線誕生まで
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各駅研究 |
1) 三軒茶屋 ○駅名の由来 ・信楽、角屋、田中屋という三軒の茶屋が存在していたことから→地図 田中屋の写真へ ・左は大山道、右は登戸道の追分地点 →指導標石 ※茶沢通り=三軒茶屋と下北沢を結ぶことに由来 ○教学院 ・明治41年(1908)、青山一丁目から現在地へ移転。小田原城主大久保家累代の 墓が祀られる ・目青不動尊:江戸五色不動(東都五色不動/五眼不動) の一つ 円仁作 ・本尊:阿弥陀如来像 恵心僧都作(と伝えられる) 2) 西太子堂 ○駅名の由来 ・町名「太子堂」から →聖徳太子の夢伝説、真言宗円泉寺の太子堂 ・旧駅名「西山」:雑木林が多かったことから名付けられたとされる ・西太子堂の「西」:旧玉電の東太子堂駅の西に当たる位置 資料へ 3) 若林 ○駅名の由来 ・新田の古い表現、または開発造成され植林された若い木の並んでいる ところを意味 ・若林天満宮、若林稲荷神社 4) 松陰神社前 ○駅名の由来 ・吉田松陰を祀った松陰神社から ・江戸時代、萩藩毛利家の知行地 ○松陰神社 ・吉田松陰が祀られているため、学問の神として参拝者を集める
5) 世田谷 ○駅名の由来 ・多摩十郷の「勢多郷→瀬田茅→瀬田萱→瀬田谷」 →『和名抄』より ・明治中頃まで、土地の人々は「せたかい」と呼んだ ・吉良氏の城下町 ・世田谷町の上町、下町 6) 上町 ○駅名の由来 ・世田谷町の上町に当たる位置 ・世田谷城下町のお膝元として栄えた →代官大場家の屋敷跡、天祖神社、世田谷城址公園 ○ボロ市 ・吉良氏の時代、1と6の楽市楽座中心地であり、相甲二州の物産あつまる 交易市場 ・楽市楽座の伝統がボロ市となって今に残る(毎年12月) 7) 宮の坂 ○駅名の由来 ・世田谷八幡宮(宇佐八幡宮)の東側の坂道を宮の坂と呼んだことから
○世田谷八幡 ・源義家が、11世紀後半の後三年の役の勝利を祝って創建したとされる ・天文15年(1546)、吉良氏によって社殿が建立され、神社として整備された ・江戸三相撲 ・宇佐神社から世田谷八幡へ 祭神:誉田天皇、足仲彦天皇、息長足姫命 末社:天祖神社(天照大神)、御獄神社(日本武尊)、 高良神社(武内宿祢)、稲荷神社(倉稲魂命)、 北野神社(菅原道真)、日御崎神社(素 鳴命)、 市杵島神社(市杵島姫命)、金比羅神社(金山彦命)、 六所神社(伊 諾尊ほか、六神) 8) 山下 ○駅名の由来 ・山=大渓山豪徳寺 ・「山下田んぼ」 ○豪徳寺(旧弘徳院) ・井伊直孝を開基とする、井伊家の菩提寺 →直弼の墓、猫の伝説 ・直孝の法号「久昌院殿豪徳天英居士」により、弘徳院から豪徳寺へ ・本尊:立像聖観音 行基菩薩作/丈八尺 ・六地蔵:元禄9年(1696)造立 9) 松原 ○駅名の由来 ・経堂在家名主松原太郎左衛門の先祖、世田谷城吉良氏家臣松原佐渡守 の三兄弟が、この地に松原宿をひらいた ・その後、宿の商人達が赤堤村の土地を開墾し、独立させて「松原」とした ・一帯が赤松林であったあことに由来するとも ○松原駅 ・玉電開通当時は、山下〜六所神社前〜七軒町〜下高井戸 ・昭和24年(1949)、七軒町駅が廃止。昭和29年(1954)、六所神社前が 両駅の中間点とおぼしき位置へ移設され、現在の松原駅へ ※六所神社前:天正12年(1584)、府中の六所宮(現大国魂神社)を遷宮 ※七軒町:松原村の小字。昔は家が七軒しかなかったことから 10) 下高井戸 ○駅名の由来 ・江戸期、甲州街道上の宿場 ・上高井戸宿と下高井戸宿 ・下高井戸宿は月のうち1日〜15日 |
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地名学の分類 |
○柳田国男『地名の研究』 1,土地利用の必要から生まれた地名 2,それが進んで土地占有から名付けた地名 3,さらに進んで地域細分した分割地名 ○鏡味完二『日本地名学』 1,自然地名 2,文化地名 ○山口恵一郎『地名の論理』 1,自然環境を表した地形語(多くは地形・気象・生物などを意味する古語で 表現される) 2,土地制度や税制・軍事・政治などの官制、法制などもろもろの制度上の 名残をとどめる地名で、法制語とも称すべきもの 3,狩猟・漁労・農耕など経済や居住・生産・流通に関して発生したもの 4,信仰・伝承・暦・衣食住など個人生活に関して生じた地名 |
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参考文献 |
『世田谷の古道』 世田谷郷土資料館? 『玉電が走った街 今昔』 林順信 編 JTBキャンブックス 『日本地名学を学ぶ人のために』 吉田金彦/糸井通浩 編 世界思想社 『ふるさと世田谷を語る』 世田谷区生活文化部文化・交流課 |
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〈参考HP〉 |
「がんばれぼくらの世田谷線」 http://www.setagaya-line.com (H17/5/13) |
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