国境を渡る人と物 1/3


 

 アフリカ大陸の東岸にあるタンザニアとその南西にある内陸国のマラウィの国境は、ソングウェ川である。この川はニャサ湖(あるいはマラウィ湖)に注ぎ、両国の国境はニャサ湖の湖面上に続いていく。

 ソングウェ川は幅数メートルから100メートル以内である。幅100メートルの川は大河だと思うかもしれないが、実際には川幅が広いところは水深が浅く、渡河は簡単だ。とくに乾季には多くの人が歩いて川を渡っている。

 内陸国マラウィはタンザニアのダル・エス・サラーム港、モザンビークのベイラ港、南アフリカのダーバン港などを利用して物資を輸入している。ダル・エス・サラーム経由の場合は鉄道でタンザニア内を輸送し、マラウィ近くになってからトラックに積み替え、ソングウェ川を渡って荷物をマラウィに入れる。ソングウェ川には1990年代に立派な橋がかけられ、その両端には出入国管理と税関の事務所が設けられている。ここに車で来ると、少年たちがタンザニア・シルとマラウィ・クワッチャ、あるいはドルとの換金を迫って車窓に押し寄せてくる。少年たちによる換金は非合法であるが、現地通貨がないと自動車の保険が買えないので不可欠である。また、レートも悪くない。

 この橋を通る正式の越境場所以外でも人びとは川を渡って越境している。人びとが頻繁にソングウェ川を渡るところには丸木舟がおいてある。国境の橋からニャサ湖までの約30キロメートルの間に、丸木舟がおいてある場所を10箇所確認した。繋いである舟を人びとが勝手に使用するところも、船頭が渡しの料金をとるところもある。後者では、物も人も多量に動いているようだ。人と物の動きが活発な渡し場での様子を写真で紹介しよう。

写真はすべて2003年撮影




ソングウェ川の幅が広く水深が浅いところを、自転車を担いでわたる少年たち。
かれらはマラウィ内は自転車、川は丸木舟、そしてタンザニア内で再び自転車で荷物を運ぶ。
両国の間で価格差を利用して個人で商売している者も、他人の荷物を運搬して手数料を取る者もいる。






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written by TAROTAKO
『クロスロード』2003年12月号に掲載したものに加筆させていただきました。





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