『史苑』バックナンバー
第85巻 第2号 (2025年3月)

講集団から見る日本文化の変化と再生産
史苑の窓
中森弘樹「蒸発」は想像を喚起する――Les évaporés du Japonをめぐって
研究ノート
王子奇近年新見のソグド語史料紹介と考察―文化受容と宗教信仰の視点から
特集1
立教大学史学大会特集報告 講集団から見る日本文化の変化と再生産
市田雅崇趣旨説明
浅川泰宏コロナ禍の聖年―2020年~2023年の調査から―
乾賢太郎京浜地区における海苔養殖と木曽御嶽講―生業と信仰に関連して―
井上卓哉俵札をめぐる信仰活動の一形態としての伊勢参詣―新潟県妻有地域に残された道中記から―
笠井賢紀栗東市の街道筋集落にみる左義長と伊勢講
高木大祐コメント 講研究の現在と現代への接続
特集2
佐藤二葉、小澤実、大谷哲歴史の現場に聞く!佐藤二葉『アンナ・コムネナ』・アニメ『ヴィンランド・サガ』・歴史考証
座談会
荒井雅子、大西信行、小川幸司、佐藤雄基歴史学と歴史教育の新たな協力を目指して(続)日本史と世界史をつなぐ
書評
庄嫣婷向正樹『クビライと南の海域世界』大阪大学出版会、2024年
新刊紹介
岡村茜朝比奈新『荘園制的領域支配と中世村落』吉川弘文館、2024年
第85巻 第1号 (2025年1月)

グローバルヒストリーと中世ヨーロッパ(3)
史苑の窓
寺尾美保博物館の展示と研究
論文
谷望安政の改革における軍制改革−幕府海軍における塩飽水主の登用過程から−
浦野聡、小岩直人、深津行徳、長谷川敬、イスマイル・ベイタク、オズデミル・コチャクTwo Approaches in a Preliminary Archaeological Survey of Polybotos (Dura Yeri – Hacı Murat) prior to the Excavation
特集1
グローバルヒストリーと中世ヨーロッパ(3)インド洋と世界システム論
小澤実序文
フィリップ・ボジャール(佐藤彰一・村田光司訳)鉄器時代に想定される3つの世界システムから単一のアフロ・ユーラシア世界システムへ
フィリップ・ボジャール(佐藤彰一・村田光司訳)16世紀以前のユーラシア・アフリカ世界システムにおけるインド洋
特集2
中世初期ヨーロッパの出自神話
ヴァルター・ポール(飯尾圭司・加納修訳)中世初期ヨーロッパにおける「出自神話」の意義
ヘルムート・ライミッツ(加納修訳)起源の窃取―中世初期フランク王国におけるローマの過去の摂取―
加納修訳者解説
特集3
梅原先生追悼特集
丸山浩明梅原弘光先生のご逝去を悼む
大塚直樹梅原弘光先生を偲んで
弘末雅士書評:梅原弘光『スペインはなぜフィリピンを占領したのか? 群島占領・植民地支配・住民の抵抗』(書籍工房早山、2023年)
第84巻 第2号 (2024年2月)

日本近世の生業・暮らしと文化的景観/戦争に向かう世界
史苑の窓
高林陽展感情史という実験場
論文
大西信行胡惟庸・林賢事件についての歴史叙述-洪武年間の日明関係を理解するために
青木康イギリス近代政党制の形成-ホイッグ党と 1780年代前半の政治危機-
今井麻美梨アンテベラム期アメリカ合衆国における他者の痛みへの共感−L・M・チャイルドの『母親の本』にみる体罰論の変化と人道主義運動−
特集1
立教大学史学大会特集報告 日本近世の生業・暮らしと文化的景観
後藤雅知趣旨説明
武井弘一砺波平野の老農宮永正運の嘆き─近世の稲作をめぐる景観変容−
桐生海正近世山間村落の景観と生業−宝永噴火からの復興過程を中心に−
東幸代琵琶湖の暮らしと文化的景観
中尾俊介神奈川宿青木町の生業と景観─町場と湊・山林の関係を中心に−
多和田雅保コメント 所有の観点をふまえた生業論・景観論
特集2
朝河貫一生誕 150周年記念シンポジウム「戦争に向かう世界:1930年代と朝河貫一」
佐藤雄基趣旨説明
福田康夫開会挨拶
ダニエル・ボツマン
早川聖司 訳
基調講演 朝河貫一と日系アメリカ人-C・ヤナガとの関係を中心に
陶波1930年代のキリスト教ネットワークと日米関係
増井由紀美1930年代のアメリカ美術と朝河貫一
討論 戦争に向かう日米関係と朝河貫一
第84巻 第1号 (2024年1月)

古代地中海世界における人々の移動とネットワーク(2)
史苑の窓
小澤実2023年リーズ国際中世学会に参加して
論文
亀田俊和佐藤進一の将軍権力二元論再論−東島誠からの批判への応答を中心として−
山根明大「マープレリト書簡」と16世紀末イングランドの主教制度を巡る論争
研究ノート
濱田浩一郎鎌倉時代の夢について−『吾妻鏡』を題材にして−
謝弘睿明代の使節賜宴と宴使礼
特集
古代地中海世界における人々の移動とネットワーク(2)−Identity, Ethnicity, Acculturation−
青木真兵新ポエニ語碑文から見る複数のポエニ文化とその利用
師尾晶子エーゲ海を往来したフェニキア人−シドンの商人の活動を中心に−
史料紹介
石井規衛 訳P.N. ミリュコーフ「ポクロフスキーの偉大さと没落(ソ連における学術史上の一エピソード)」
第83巻 第2号 (2023年3月)

世界史特集
史苑の窓
深津行徳
特集1
立教大学史学大会特集報告 世界史における「学知」の政治的ダイナミクス
浦野聡
王尊龍近世琉球における学知の構造転換−明・清皇帝への表文を手がかりに−
大塚修ティムール朝における学芸保護と学知−イスカンダル・スルターンの『傑作集』を中心に−
梅原秀元科学的な精精神医学とナチ期の強制断種・「安楽死」 −エルンスト・リュディン(1874−1952)をめぐって−
小森真樹兵器化する科学主義−両論併記で「天地創造」を科学する博物館−
岸本美緒王報告・大塚報告へのコメント
宇山智彦梅原報告・小森報告へのコメント
総合討論
特集2
古代地中海世界における人々の移動とネットワーク(1)−Identity, Ethnicity, Acculturation−
佐藤育子
長谷川岳男「移動」から見る古代ギリシア社会
佐藤育子古代地中海世界におけるフェニキアの宗教の発展と変容
宮嵜麻子ローマ帝国形成期コルドゥバの「ローマ人」
書評
大西信行歴史学会編『歴史総合 世界と日本』(戎光祥出版、2022 年)
第83巻 第1号 (2023年1月)      

天草灘かくれキリシタンの世界
史苑の窓
小野沢あかね日本軍「慰安婦」問題と性売買
論文
デイビッド・ロフ
鶴島博和 訳註
交易地から市場都市へ−コングルトンのバラの起源−
特集
天草灘かくれキリシタンの世界:松浦家文書から見た生業、交易、島嶼ネットワーク
小澤実
鶴島博和天草灘とキリシタン−海からの視点−
児島康子幕府における寛政期と文化期の天草の位置付け
中園成生生月島かくれキリシタンの生業と信仰
木村直樹長崎からみた天草−分断と連帯−
中山圭考古学、モノ資料の視点からみた潜伏キリシタン資料
座談会
大西信行
竹田和夫
横井成行
佐藤雄基
歴史学と歴史教育の新たな協力を目指して 過去に学び、未来を考える
書評
大江満藤本大士『医学とキリスト教−日本におけるアメリカ・プロの医療宣教』
第82巻 第2号 (2022年3月)      

14世紀の危機
史苑の窓
市田雅崇鵜はどこへ飛んで行く:鵜祭と変わりゆく伝統
論文
李暁璐
王尊龍訳
宮内庁蔵『万国絵図屏風』人物図考
研究ノート
増渕美穂・石倉香鈴「母親」たちはなぜ「座り込み」をしたのか:一九七八年の豊島園場外馬券売場反対運動
立教大学史学会大会特集報告
人権と向き合う現代世界:権力と人権をめぐる現代人類史・誌的省察のために
浦野聡
梶谷懐中国社会と普遍的価値の困難性:監視社会と功利主義
小野仁美イスラーム家族法とフェミニズム:チュニジアの相続規定をめぐる多様な立場
飯尾唯紀ハンガリーのイリベラル政権と教会:学校教育への余波を中心に
橋本栄莉南スーダンの紛争後社会における混成的秩序:強制移動民の生活世界と「ものごとの国家的秩序」
司会:
上田信
松原宏之
総合討論
特集
14世紀の危機:研究の現在
四日市康博
中塚武樹木年輪古気候学の現状と課題:バレリー・トロエ『年輪で読む世界史』
宇野伸浩モンゴル帝国初期の気候変動:白石典之『モンゴル帝国の誕生』
西村陽子中国史に関連する古気候研究の現状と課題:葛全勝等『中国歴朝気候変化』
長瀬篤音中東史への気候史の導入とその反応:リチャード・W・ブレット『初期イスラーム期イランにおける綿花・気候・ラクダ』
諫早庸一ユーラシアから考える〈14世紀の危機〉
第82巻 第1号 (2022年3月)      

アフリカの若者の身体/『明治が歴史になったとき』を読む
史苑の窓
梅原秀元二人のシュナイダー
論文
松原宏之救貧問題と名望家の再編:ニューヨーク貧民化防止協会(一八一七−一八二三)の盛衰
研究ノート
髙橋裕子アルゴスのディラスにおけるミケーネ文化崩壊以降の埋葬と社会
特集
アフリカの若者の身体
橋本栄莉
橋本栄莉「本物の男」と「複写男」のあいだで:南スーダン紛争後社会における瘢痕とハイブリッドな「男らしさ」
村津蘭悪霊との情交:西アフリカ、マミワタの憑依におけるペンテコステ・カリスマ系教会の役割
萩原卓也身体をめぐるまなざしと感覚を基盤とした集団の形成と成形:自転車競技選手として生きるケニアの若者を事例に
特集
『明治が歴史になったとき』を読む
佐藤雄基『明治が歴史になったとき』の意図と達成:特集の序文として
豊田雅幸大学アーカイブズと大学アカデミズム:教員個人・学術研究を扱う難しさ
寺尾美保史料と史料をめぐる人的ネットワーク:島津家と大久保家の関係から
前田亮介「史学統一」の夢:戦前(一九二三−一九四五)の大久保利謙
書評
ヒライ ヒロ池上俊一『ヨーロッパ中世の想像界』(名古屋大学出版会、二〇二〇年)
室井康成谷口雄太『〈武家の王〉足利氏:戦国大名と足利的秩序』(吉川弘文館、二〇二一年)
第81巻 第2号 (2021年3月)      

今を映すもう一つの歴史記述:偽史・オカルト・歴史実践
史苑の窓
木村直也新たな歴史研究の視点にふれながら
研究ノート
佐藤雄基鎌倉幕府政治史三段階論から鎌倉時代史二段階論へ:日本史探究・佐藤進一・公武関係
特集 今を映すもう一つの歴史記述:偽史・オカルト・歴史実践
小澤実
室井康成偽書もまた「史料」なりき。 馬部隆弘『椿井文書』に寄せて
長谷川亮一近現代日本における偽作史書とその受容を考えるために:藤原明氏の近業に接して
樋浦郷子「江戸しぐさ」の現代と未来−原田実氏著作を読んで−
高林陽展近現代における超自然信仰と不安のマーケット
小澤実オカルト・学知・第三帝国:カーター『SS先史遺産研究所アーネンエルベ』の周辺
松原宏之歴史学再生のために−歴史実践から考える−
小澤実歴史実践をさかなでに読む:偽史・オカルト・歴史実践
書評
王尊龍岩井茂樹 著『朝貢・海禁・互市−近世東アジアの貿易と秩序−』
井出匠早坂眞理 著『近代ポーランドの固有性と普遍性−跛行するネイション形成−』
根占献一桑木野幸司 著『ルネサンス庭園の精神史』
金澤周作大石和欣 著『家のイングランド−変貌する社会と建築物の詩学』
藤野裕子上田信 著『歴史総合パートナーズ①歴史を歴史家から取り戻せ!−史的な思考法』
大和久悌一郎武田尚子 著『戦争と福祉』
赤嶺淳小川真和子 著『海をめぐる対話 ハワイと日本』
第81巻 第1号(2020年12月)      

ルネサンスにおけるテクスト・知識人・政治
史苑の窓
橋本栄莉奇声が紡ぐ歴史、あるいは「狂人」が照らす真実
特集 ルネサンスにおけるテクスト・知識人・政治
小澤実
ハラルド・ミュラー
(訳 纓田宗紀)
マリアかミネルヴァか ベネディクト派修道院におけるルネサンスの学識
皆川卓西暦1500年前後の西南ドイツにおける人文主義者、政治と地域的アイデンティティ
ゲオルク・シュトラック
(訳 渡邉裕一)
修道士ロベール、イタリアの人文主義者たち、クレルモンの宗教会議(1095年)
イェシカ・ノヴァク
(訳 阿部ひろみ)
ルネサンス期ロンバルディア地方の学識
「学芸」と政治の間で:ローランド・タレンティのケース
村瀬天出夫
(訳 簗田航)
マ錬金術と終末論 ドイツのパラケルスス主義者
パウル・リンクとその救済史観
講演
ヨハネス・プライザー=カペラー
(訳 小澤実)
微生物からみた初期グローバリゼーション:2世紀から8世紀の疫病と帝国の絡み合い
研究ノート
髙橋裕子初期鉄器時代のミケーネ −埋葬資料の検討−
青木康セント・オルバンズ・タバーン・グループとイギリス近代政党制の成立
史料紹介
阿部晃平『ソロモンの哲学書』(Liber de philosophia Salomonis
書評
中川灯里大塚修『普遍史の変貌』
copylighting 2013 rikkyou university