日本一をつかむために、4年間の全てを捧げてきた人たちがいる―――。
   2015年9月に秋田の地で行われた、学生水上スキーヤーにとって最高峰の全日本学生水上スキー選手権大会。立大モーターボート・水上スキー部は、今大会で男子総合優勝、女子総合準優勝という結果を残し、見事学生日本一に輝いた。
   日々の練習は、朝日が昇ると同時にスタート。春休みには毎年、海外合宿を敢行した。金銭面でも大きな負担がかかるのが水上スキーというスポーツ。負担を補うため部員たちは練習とバイトを両立しながら、大学生活を水上スキーに捧げてきた。
   主力として常に部を先頭で引っ張ってきた4年生たち。在学4年間で男子は3度の日本一となり伝説の代になった。水上スキー部黄金時代を支えたと言っても過言ではない。そんな彼らの4年間を、インカレ後に行ったインタビューで振り返る。


「皆の応援で結果を出せた」
主将・長友啓(営4)

   1年次からインカレに出場し、3度の日本一に貢献してきた。種目はスラロームに出場し、インカレでは立大新記録を打ち立てる。今まで人の上に立つという経験がなく、主将に決まった直後は不安しかなかったという彼。悩みながらも、彼の優しい性格が出た愛される、応援されるチームを作っていった。
―主将としての1年
「もう、辛かったです。人数多いので、意見もまとまらないしあまり人の上に立つってことをやってきたことなかったので、どうすればみんなが1つになるのか、自分がどういう主将であればいいのか考えても全然出なくて、ただただ皆に助けてもらった1年でした。」
―同期の存在
「中学高校も部活とかやったことなくて、ずっと水上スキーしかしてこなかったので最初で最後の同期でした。あの14人がいなければ主将を今日までやれてこれなかったし、キャパオーバーしてたと思うので、本当に最高の同期です。」
―後輩にエール
「立教の水上スキーは男女で勝たないと意味がないので、今年叶えられなかった男女総合優勝という夢をもう一度追い求め、必ず男子は3連覇し男女で優勝してほしいです。」
―長友さんにとっての水上スキーとは
「水上スキーしてないと気持ち悪いくらい生活の一部というか、自分の元気の源みたいなものです。」


「水上スキー部に入ってよかった」
主務・弘末翔一(社4)

  今年のインカレではトリック・ジャンプの2種目に出場。どちらも好成績を残し、優勝の原動力となった。トリックでは1番手を担い、攻めの姿勢を貫きチームに勢いをもたらした。
―インカレ優勝した瞬間は
「優勝した時は、勝ったんだ、これかみたいな。嬉しくて涙というよりは楽しくて笑ってました。チームが勝って、嬉しいというより楽しかったです。」
―主務としての1年
「主務の仕事は色々ありましたけど、主に人に仕事を振ることなので来た仕事を任せていました。そういった意味では、面白い役職を頂きました。」
―後輩にエール
「立教大学として頑張ってほしいなっていう思いがあります。慶應に勝ってくれと、水上スキーだけでも。」
―弘末さんにとって水上スキーとは
「大学生活。水上スキーとは大学生活ですね。」


「次絶対俺が1位になるなって」
笠原健太郎(コ4)

   ジャンプ種目の技術主任を務め、1年間チームを引っ張ってきた。実力はありながら、今まで個人で種目の1位に輝いたことがなかった彼。しかしインカレでは自己ベストのジャンプで1位を取り、見事21年ぶりにインカレ記録を更新。チームを優勝に導くと同時に、念願であった個人タイトルも獲得した。
―同期の存在
「本当にくだらないことでケンカしたり、優勝を喜んだりして、ちょっとキモいこと言うんですけど宝物ですね。本当にだから優勝はおまけみたいな。本当バカな奴らなんですけど、みんなすごく集中するんですね。だからちょっとでも変な練習すれば怒られますし、結果が出なければふざけんなよってなりますし、心の底から言い合える。あれを得たのは人生で良かった部分ですね。」
―後輩にエール
「勝ちに向かって一生懸命やってほしいんですけど、僕がインカレ全部終わって最後に言ったのが「狂ったように練習しろ」と。普通の練習は、普通の選手にしかならない。多分負けたら絶対後悔するんですけど、勝っても後悔するっていうことがあるんですよ。それは個人で目指した目標に届かなかったり、人によって違ったりすると思うんですけど。本当にできることを全部やってほしいですね。練習もそうですし、アドバイス聞きに言ったりとか本を読んだりとか、全てやってほしいです。」
―笠原さんにとって水上スキーとは
「これからどんなに辛いことがあっても、多分あの日のことを思い出せば何でも乗り越えられると思うので、自信というか。人生の筋のようなものです。」

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