準硬式野球部

〜リーグ戦プレイバック〜

  劇的な始まりだった。早大を迎えての開幕戦、2点ビハインドの9回裏。仲澤(済3)のタイムリーなどで追いつくと、打席には今井(文3)。初球を振りぬくと力強い打球はレフトスタンドへ。最高の形で初戦を白星に飾った。また、この日は初の開幕のマウンドを任された関(文2)も好投を見せた。今シーズン大きな飛躍を遂げた右腕だが、この一勝が大学初勝利。シーズンの活躍を予感させるピッチングだった。続く第2戦では惜しくも1点差で敗れるが、第3戦で伏兵がチームを救う。同点で迎えた9回表、今季からショートにコンバートされた神岡(済3)にタイムリーが飛び出して勝ち越し。開幕カードから勝ち点を手にした。
  しかし第2節の明大戦、チームは早くも苦境に立たされることとなる。第1戦で六大を代表する好投手・井上を相手に、打線が5点を奪うも投手陣が崩れて痛い敗北を喫した。第2戦では関が3連勝となる白星を挙げ一矢報いるが第3戦、またも苦しい展開となる。小刻みに点を取り合うシーソーゲームとなり、シーズン初先発の片岡(法3)が相手に勝ち越しを許さない。しかし1点リードの7回、逆転を許すと終盤3回で計8点を献上。打線も追い上げるが、7点という差はあまりにも大きかった。優勝候補からの勝ち点奪取ならず。悲願に向け、もう勝ち点は落とせない。
  続く東大戦ではいわゆる「お得意様」を相手に、打線が投手陣を粉砕。第1戦で仲澤、今井のアベックホームランなどで15点奪い快勝すると、第2戦では前日を越える17点を挙げてコールド勝ち。次の慶大戦に望みをつなげた。
  ここまで全勝し、明大と同率で首位を走る慶大。勝ち点を落とすと最終戦を前にして、本学は優勝の可能性を失ってしまう。まずは先勝したい第1戦。関がランナーを背負いながらも粘投。4回まで慶大の強力打線を封じ、スコアボードに0を並べる。しかし打線も相手エース、増田を捉えることができない。すると5回、関が先頭打者への四球をきっかけにエラーなども絡んで6失点。今井の本塁打などで1点差まで追い上げたが惜しくも敗戦。ついに崖っぷちに立たされた。第2戦も全く同じ展開に。4回まで両チーム無得点から、5回表に慶大がヒットと本学のエラーなどで3点を先制。ただ一つ違ったのは、本学自慢の打線の沈黙だった。好調の上野(済4)を今季初めてトップバッターに起用するなど、打線を組み替えたが散発3安打に抑えられ、完封負け。今季も優勝を逃してしまった。
  しかし彼らの気持ちは切れなかった。Aクラス入りを懸けた法大戦。名実ともにエースに成長した関がシーズン最終登板を飾るにふさわしいピッチングを披露。5安打2失点の完投でリーグ単独2位の5勝目。来季へさらなる期待を抱かせた。第2戦では片岡が今シーズン最高のピッチングを見せる。初回こそ犠飛で1点を失うが、その後はほぼ完璧と言える内容。無四球の完投で引退する4年生にAクラスをプレゼントした。また、片岡はこの日のピッチングで防御率1位に浮上。嬉しい初タイトルとなった。
  今秋も3位で終え、2季連続のAクラス入りを果たした本学。打撃陣は仲澤が2季連続となるベストナインを獲得するなど、前評判通りの活躍。投手陣では待望の柱、関が登場。初勝利から一気にエースまで駆け上がった。投打がかみ合えば、悲願の優勝が見えてくる。
(1月5日・伊藤(龍))
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