すがすがしい秋晴れのもと行われた第49回少林寺拳法全日本学生大会。立大は、男女初段の部・女子茶帯の部・女子単独段外の部・女子立合評価法中量級の部の4部門で入賞を果たした。今回の大会の総括や来年への目標を、拳士の方々に伺った。



男女初段の部 第4位 小澤育矢(現4)・三嶌仁奈(済2)

―今回の大会を終えて率直なお気持ちは
小澤:自分は最後の大会だったので、賞獲れて終われてよかったなと思います。結果にはまぁ満足してますね。獲れないかなと思ってたので。目標としては6位以内に入ってればいいなと思っていました。
三嶌:本来の段位より1個上のところで戦うことになったので、結構足引っ張らないかとか不安なところもあったんですけど、無事入賞できてよかったです。
―お二人が組まれたのは初めてですか?
三嶌:会長もおっしゃっていたのですが、賞をとる学校は、演武が似たような構成が多くて。自分たちはそういうのが嫌だったので、自分たちが本当にやりたい構成をやろう、と。もちろん目標は賞をとることなんですけど、それ以上に自分たちの気に入った、やりたい演武をやろうと。その分賞をとる機会は少なくなってしまうかもしれないんですけど、自分たちのやりたいことを曲げずに最後まで来るような目標は立てていました。
―全日本に向けて取り組んでいたことなど
小澤:部内だけで練習していると視野が狭くなってしまうので、色んな大学に行って色んな指導を受けたり、出稽古を多くやりました。どこかの大学の練習に参加して、講評をもらうような感じです。やっぱり指導方法も結構違うので、色んな意見が聞けていいなと思いますね。
―自分たちの演武を振り返って、納得のいく演武はできましたか?
小澤:予選の方が結構いい出来だったな(1位)と思うので、ちょっと良い点数出過ぎてちょっとプレッシャーになってしまったところはあるんですけど、特に大きい失敗とかはなかったので。
―予選と本選の出来具合の違いは?
小澤:予選の方が本当に集中してできたかな。やっている最中に何も考えずに身体が勝手に動いたというか。本選はちょっと考えすぎちゃったかなと思います。
―三嶌さんは前回茶帯の部で優勝してらっしゃったが、初段に上がられたんですか?
三嶌:いや、茶帯のまま出てたんです。一応出れるので、特別に参加ってことで。 小澤:使える技が結構少なくて、初段で出るよりもちょっと不利なんです。段が上がるごとにどんどん使える技が多くなっていくので。ほとんど技使えない状況で出たので、入賞できてすごいなって感じですね。(小澤さんがかけられる技と、三嶌さんがかけられる技の数は違うんですか?)そうですね、全然違いますね。
―三嶌さんはまた関東学生などが控えていると思うのですが、今回の大会で何か次に向けての課題などは見つかりましたか?
三嶌:そうですね、課題はいっぱいみつかったんですけど、茶帯の段階で初段の部の雰囲気を経験できたので、それはすごくよかったです。今回全日本で入賞できたので、関東ではどの部門に出るかわからないんですけど、入賞は狙っていきたいなと思います。
―小澤さんは4年間少林寺拳法部でやってきたと思うんですけど、振り返ってみていかがでしたか?
小澤:結構大変なことばっかりだったんですけど、最後までやれてよかったなというか。入賞とかもそうなんですけど、結構後輩を指導したりとか、あと先輩に対する礼儀作法とか身についたことは結構あったので、少林寺拳法部に入って良かったなとは思います。
―同期に向けてメッセージなど
小澤:最初ちょっと欠けちゃったんですけど、なんだかんだあんまりみんな辞めずにやって来られたんで、そこはよかったなと思いますね。結構辞めちゃう人が多いので、辞めないでずっと続けて来られたことはよかったです。
―後輩に向けて
小澤:できるだけ大会での入賞を意識して、いくつも立大の名前が載るように頑張ってほしいですね。






女子茶帯の部 第2位 額賀郁乃(現2)・原田珠生(観2)
―今日の大会を振り返って
原田:全日本の学生大会で2位になったことはすごくうれしいんですけど、演武を見るともっと頑張れたし、普段練習していることを出せたなと思って。自分の動きについてはすごく悔しく思っています。
額賀:あと少しで1位を取れたと思うと悔しいですが、2位は結果としては良かったのかなと思います。しかし自分の動きを見ると、基本的なところができていなかったり、このままじゃ関東入賞できないなと思うので、もっと技術を向上させようと決心しました。
―大会後の写真撮影で浮かべていたのは悔し涙?
額賀:終わった時点ではいいが演武できたのかなと思っていたのですが、ビデオを見て自分の下手くそさに愕然としました。2位を取れても満足はしていないです。運がよかったのかなと思います。正直、自分の今の実力は2位を取るようなものではないと思います。
―予選1位については
原田:びっくりしました。
額賀:あれは、練習で意識していることを全くせずにやってしまった演武で。普段「ここ気をつけようね」って言っているのに、緊張して気をつけられなかったので、あまりいい演武ではなかったと思います。自分は結構1位取る自信はあったんですけど…。
原田:自分は逆にほかの組の点数を全然見ていなくて。お互いに。90点出たけど、これで落ちてたら自分のせいだ、これで落ちてても不思議じゃないと思ってわんわん泣いてて。
額賀:2位の演武ではないと思います。
―予選と本選はやはり全然違う?
原田:たぶんラッキーだったんです。立大に関東で優勝したペアがいるんですけど、そこは出てないですし。 額賀:自分はそう思われるのが嫌だったんです。「だから2位になったんでしょ」って言われるのがすごく嫌で。言われないですけど、自分で思っちゃうんです。その組を越えるには1位を取るしかなかったので、取れなくって悔しいんです。
―部内でライバルだと思っている組は
額賀:黒田と三嶌です。黒田とか回し蹴りすごくうまいし。今の段階では自分の方が下手なんです。運動能力もないし不器用なんですけど、でも4年生になるまでにその2人よりもうまくなりたい。そのために今下積みをしています。
原田:その人たちはもう今年の3月とかだいぶ早い時期から組んでいて。自分たちは関東大会は違うペアで、組んいでた期間がだいぶ違う。それでもやっぱりライバルである人たちの集中力は本当にすごくて、尊敬しています。
額賀:その2人は自分たちにはない基礎的な動きがしっかりしていて。自分たちはずっと突き蹴りとか基本の動きがなってなくて、よく先輩方に演武映えすると言って頂けるのですが、それだけじゃごまかせないところもたくさんあって。苦手だから意識はしてきたんです。回し蹴りとか上段突きとか自分たち下手なので、お互いに言い合うことはできたと思います。
原田:ただ今回の予選では、自分たちの意識した点が評価されにくかったんです。そこではあまり差がつけにくくて。採点競技なので人の好みとか出ちゃうので。
―演武映えとは
額賀:自分の解釈ですが、たぶん基本練習の割には演武がよくできているという感じだと思います。普通基本練習がこれくらいなら演武もこれくらいだけど、演武になると動きがよくなる。演武って基本の突き蹴りだけじゃなくて、
原田:かみ合っているかどうかとか。
額賀:自分はそれでごまかしているところがあると思って、結構焦っています。
―お二人とも大学から少林寺を始められていますが、きっかけは?
原田:自分は護身術として。
額賀:自分は動画を見てひとめぼれ。部活は絶対に体育会って決めていて。体育会の中でも厳しい、武道とか球技以外の部活をやりたかった。バレーボールをやっていて楽しかったんですけど、今度は何か道具を使わずに体を動かすスポーツをやりたいなと。それで武道を選んで、少林寺の動画を見て、カッコいい、これしかないと思って。
―組んでみた感想は?
額賀:かみ合ってるとは思うよね。
原田:好きな演武や動きとか、好みは結構似てて。目指すところが同じだよね。
額賀:やりやすかったです。結構。言いたいことは全部いう。
原田:練習がすごく楽しかったです。いつも笑ってて。何かしらで頭ぶつけたり、道場内でギャーギャー騒がしくて。
―関東にかける思い
額賀:今までの練習量では関東での入賞にはたぶん足りないと思っています。どうやったら同じ時間で効率的に伸びるかなって言うのを考えてます。関東でのペアは決まってないんですけど、やりたい構成とかも考えてて。その構成をでどうやったら入賞できるかとか。3位以内を目指してるんですけど。どうしてもメダルが欲しいです。
原田:私もどうしても欲しいです。初心者初めで、自分だけがトロフィーもらったことがないんですよ。今まで出た大会全部入賞してるんですけど、トロフィーはもらったことがなくて。だから今回の2位も本当に悔しかったんです。
額賀:やっぱり難しいなと思いました。結構いけるかなって思ってたんですけど、動画を見たらやっぱり1位取るような演武じゃないなって。
―やっぱりメダルがもらえる3位以上と、表彰状だけの4位は違いますか
額賀:全然違います!
原田:自分たち新人大会は4位で。
額賀:その時も三嶌たちはメダルを持っていて悔しかった。自分たちがうまくいったなと思っても、彼女たちがいつも一個上を行くんです。今回も単独演武で入賞したのはすごいことなんです。80組くらいあるので。もう一人は初段で入賞してるし。やっぱり、自分は2番なんだなっていろいろな場面で感じるところはあります。大会で負けるのも悔しいですけど、自分は毎日悔しいです。今日の練習でも「同期や他大の子ならもっとうまくやるんだろうな」って。
原田:練習でどうしてもうまくいかない場面で、そういうときよく見るお気に入りの動画があって。「この選手だったらどう動く?」ってずっと見て動きを覚えて、動画にない動きでも頭の中で再生するぐらい。それを慣れるまで何回もやっていました。
額賀:よく前主将に「この動きはこの人って決めるといいよ」と言われていたので、今回動画はよく見たと思います。
原田:毎回1位目指さなきゃ入賞できないって思っているので、とりあえず1位を目指すんですけど、今回の大会の目標は今1位のペアに勝つことで。だから2位でも勝った心地がしなくて。関東ではたぶんその人たちも解散するので、また違う形で戦うことになるんですけど。
額賀:この悔しさを関東にぶつけたいと思います。もっと上の賞を取るために頑張ります。
―今回の課題
額賀:回し蹴りとか突き蹴りなど基本の動きを2年生のうちにもっと上達させて、表現力を関東までに上げていきたいと感じました。
原田:自分は飛び受け身ができていないのでそれをマスターすること。有段になったら投げてナンボ飛んでナンボの世界になるので。剛法(突き蹴り)では差が付きにくくなり、バシバシ感ではごまかせなくなるので。今の自分の課題は関東までに完成させて、プラスアルファで投げと当ての正確性と飛びのきれいさを持って初段に臨みたいなと思ってます。
―新主将について
額賀:高橋主将は、「ついていきます!」って感じです。今に1個上の先輩は全体的に皆さん引っ張ってくださる感じで。ついていこうって思います。それに優しいんですよね。厳しくするとことは厳しいんですけど。初の女性主将でもあって、すごいです。
原田:優しくて、すごく後輩に好かれると思います。たぶんこれから入ってくる新1年生も大好きになると思います。
―次の大会の目標
原田:1位です。口癖みたいに言ってるわけではなく、次はもう本当に取りたいんです。絶対に1位です。
額賀:絶対に1位です!


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