サイバーアジア(51)

携帯情報端末(PDA)

 PDA(Personal Digital / Data Assistant)という略語を中国語やタイ語のパソコン雑誌で見かけることが多くなった。日本でも「携帯情報端末」と言うよりPDAの方が通りがよいかもしれない。"携帯電話以上ノートパソコン未満"の機能を持つ150g程度の電子手帳のことだが、元祖は1993年に発売された当時アップル社のNewtonである。シャープがザウルスと平行して技術協力しており、現在でも熱心なファンが存在する<http://www.cyborg.ne.jp/~newtonj/index.html> 。  1996年発売のパームはアメリカ本国で80%、世界的にも70%のシェアを持ち、アジアでも着実に普及している。公式サイトだけでも香港、台湾、日本、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピンの8つの国と地域に及ぶ<http://www.palm.com/intl/>。マイクロソフト社も1996年にポケットPC用のOSとしてWindows CEを発表しているが、当初キーボード入力を前提としていたせいもあり、ペン入力が主流の現在、普及度でPalm OS機に水を開けられてしまった。また、柔軟性の高さもPalm OS機が上で、英語版や日本語版を中国語仕様にカスタマイズすることもできる<http://www.rikkyo.ne.jp/univ/tanino/palm/>。  中国大陸では商務通<http://www.peace-east.com/>をはじめとして、中国独自規格(Mine OS)のPDAが電子辞書兼用で大はやりだ。台湾ではWindows CE中国語版ベースの神宝<http://www.palmmax.com>国衆<http://www.leosys.com>が一般的のようだ。  様々な用途と言語へのカスタマイズが可能なLinux OSのPDA<http://www.attic-jp.com/agenda/developer/index.html>も発売されはじめ、PDAが活用される範囲はますます広がりそうだ。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、2001.9)