財団法人日本水泳連盟会長 古橋廣之進
大正10年に立教大学体育会水泳部が創立されてから、ここに80周年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。併せて貴水泳部が創立以来、日本水泳連盟ならびに日本水泳界に果たされた数々の業績に対し深甚なる敬意を表する次第であります。
貴水泳部は第1回日本学生水上大会から参加され、大正11年全国学生水上競技連盟、引き続き、大正13年に発足いたしました日本水泳連盟の前身であります大日本水上競技連盟の創立にも参画され、オリンピック・日米対抗水上競技大会などで活躍された多くの名選手を排出されました。
特に戦前・戦後を通じて貴水泳部のご活躍は、今でも私達の脳裏に残っています。取り分けオリンピック・ベルリン大会の800ｍリレーでの田口正治氏、新井茂雄氏両氏の活躍は、日本中を熱狂させました。ベルリン大会唯一の世界記録であり、２位のアメリカチームに大差をつけての優勝は、水泳ニッポンを大きく印象付けた会心のレースであったと記憶しております。
私ごとながら、終戦直後の混乱した状況の中で神宮プールにおいて開催された、日・立・明三大学対抗水上競技大会において太田光雄氏、岩合傳氏らと共に競いあったことは、若き日の忘れることのない思い出であります。また、日本水泳連盟の創立以来、貴大学出身の諸先輩が役員として、本連盟の運営にも多大なるご尽力とご協力を戴きましたことについても、心から感謝しております。
本年はオリンピック・シドニー大会開催を前に、日本水泳陣も世界で戦える体制を整え、その活躍を期待しているところであります。創立80周年を機に、立教大学体育会水泳部の日本水泳界の第一線復帰と益々のご発展を祈念し、お祝いの言葉とします。
