女子白帯緑帯の部6位入賞 原田珠生(観1)・三嶌仁奈(済1)



  初出場となる全日本の大舞台で、見事入賞を果たした原田珠生(観1)・三嶌仁奈(済1)ペア。今後の活躍が大いに期待される彼女たち。言葉の端々から、互いへの深い信頼感が伝わってきた。


〇全日本を終えて、今の率直な感想をお願いします
原田:自分たちの名前が呼ばれた時は信じられなかったんですけど、今思うとすごく悔しいです。すごく嬉しかったんですけど、でもやっぱり(優勝の)トロフィーが欲しかったので、すごい悔しいです。

三嶌:もちろん入賞を目指してはいたんですけど、1年で一番大きい全日本という大会で賞を獲れたというのは嬉しいの一言です。でもやっぱり珠生も言っていたようにトロフィーを目指していたというのはあるので、嬉しさも悔しさもどちらもある感覚でした。

初の全日本で入賞を果たした原田(左)・三嶌
〇今回はどこを目標として設定していましたか?
原田:自分たちとしては入賞は絶対という部分で。

三嶌:出来れば優勝したかったという感じですね。

〇そこまでいったら優勝したかったですか?
原田:そうですね。欲は出てきたよね(笑)

三嶌:うん(笑)

〇自分たちの結果に対する満足度はどのくらいになりますか?
三嶌:体の動きとしては、ビデオを見た感じでは普段の練習よりもすごくキレキレに動いていて、いい印象ではあったんですけど。本選の順番が二番手だったっていうのもあって。少し不安も感じつつ始めちゃったね、精神的なピークを持ってくることができなかったね、っていうことは二人で話していたんです。

〇ペアを組み始めたのはいつからですか?また、組んでみての相性は?
原田:今年の七月くらいだと思います。三嶌はすごい演武にこだわるんですよね。見せ方にすごくこだわりを持っていて。妥協をしないところがあったおかげで深くまで練習ができて。でもお互い行き詰まる時があって、その時は短期集中型の練習を目指していて。すぱっと練習をやめて話し合って、いいイメージを持って次の日の練習に臨めるという感じだったので、すごくやりやすかったです。

三嶌:珠生もすごくこだわりがあって、見た目からは想像できない力強さがすごくあって。私がよく先輩に「軽い突きや蹴り」と言われるので、そういうのがうらやましいなと思って。それに加えて見せ方にこだわりを持っていて、練習方法としてはがむしゃらにやるのではなく、ちゃんと目標を立ててからという風にしていました。休むときは休む、やる時はやるというメリハリを一番大事にしていました。信頼関係は作れていたのでやりやすかったです。9月の新人戦も同じペアで出たんですけど、やっぱり最終目標としては全日本を目指して七月からやってきました。

〇お2人の特徴として、しっかりと話し合いをして演武を組み立てていくという印象を受けました。
原田:そうですね。30パーセントで丁寧にやるのと100パーセントで本当の戦いのように見せるというのを比べた上で、他のペアも見て観察して研究して。「あの人の動きがいいから真似をしよう」とか、割と話し合っている最中に他のペアの研究もしたりしていて。去年の全日本の(同部門の)1位のペアも研究していましたね。

〇全日本ということでいろいろな大学のペアの演武を見たと思いますが、実際に見てどんな印象を受けましたか?
三嶌:率直な感想としては、9月の新人戦は関東の大学だけでの大会だったんですけど、それに比べてレベルが全然違って。予選から気が抜けなかったよね。

〇今大会で得た自分たちの課題や収穫はありますか?
原田:私は課題として、本選二番手ということで集中力のピークを持っていくことができなかったというのがあって。普段はいくつかのペアの演武を見て、自分もアドレナリンを出して頑張ろうってなるんですけど、あの時は次の1分30秒後には自分たちが演武をしているんだと思うと時間が過ぎるのが早くて、心の準備ができなくて。でもその中でもちゃんとやれば1位になれたかもしれなくて。やっぱりどんな順番でもピークをもっていけるようにするというのがこれからの課題で。絶対に成し遂げたいと思います。

〇少林寺拳法は技術点と表現点で採点されますが、どちらを重視していましたか?
三嶌:技術点が6割、表現点が4割なのでやっぱり技術点で稼いだほうがいいというのはあったんですけど、やっぱり技術がある人は表現も自然とついてくると思うので、そこはあまり考えていなくて。でも珠生もそうだと思うんですけど、こだわりとして見せ方とかなめらかさとかを一番こだわっていて。実際にできていたかは別なんですけど、一番重視してやってきました。ただ実際今回の1位とか2位とか3位の組の演武を見ていると、それだけじゃないっていうのがすごく分かって。普段他大学の演武を見るという機会はあまりないので。(部内の)選考会で争った同期のもう一組のペアがあるんですけど、その二人がまさにそうで、実際に戦っている感じがするというか武的要素やきびきび動くキレや力強さが欠けていたので、今後伸ばしていくとしたらそこかなと思います。

〇この反省を踏まえて次の関東大会までどんな練習をしていきたいですか?
原田:今の自分たちがわりと大きく動くことと動きの丁寧さが武器になっていると思うので、他のペアのようなキレと速さも身につければ、次は茶帯の部に出ることになると思うんですけど、そこでは1年生だけでなく2年生とも争っていくことになるので、また研究をし直していいところを盗んでやっていきたいと思います。

三嶌:技術面では、わたしは演武ではなくて単独でやっているときでも力強さがなくてそれがネックだと言われるんですね。だから力強さとか気迫の部分ですね。見せ方だけだと通用するのはここまでなのかなというのは実感していて。これから茶帯や黒帯でも通用するのはそのどちらも兼ね備えている人なのかなと思います。

〇女性と男性だと、見せ方が変わってくる部分もありますか?
原田:変わりますね。

三嶌:自分としては、「女子演武」っていうのを離れたいんですよ。女性らしさから。

原田:先週の月曜日の池袋の練習に明治のOBの先輩が出稽古に来ていて、その人が私たちの演武見て、「女捨ててる」って言われて。そうか、みたいな。でも嬉しいんですけどね。褒めてるよって言われたんですけど(笑)

〇他大の人から指摘やコメントをもらうことも?
原田:はい。全日本の前日が同志社との合同練習だったんですよ。それもあって同志社の監督と同志社の先輩方が教えに来てくださって。それで前日に構成をちょっと変えて。

三嶌:前日に変えちゃいました。でもそれこそこだわりで、「これがいい!」って思って自分たちを信じてやりました。

原田:超かっこいいと思って。

〇鳥居さんと中島さんについては、新旧主将ということでどういう印象ですか?
原田:2人とも演武の見せ方にすごくこだわるんですよ。大会の1週間前くらいまでたぶん構成を全部変えていて…。夏にやった構成と全日本1週間前の構成がたぶん全部違うんですけど、そのくらいやってて。中島主将は、細かいところもすごい気にしていて、少しでも点が上がるようにポイント稼げるように研究していて、他大の動画を見る人で。鳥居先輩はフィーリングというか。

三嶌:メリハリのある練習方法っていうのは鳥居先輩から教わったんです。鳥居先輩はあんまり長くダラダラやらない方で、それが自分に合っているとおっしゃっていて、自分たちも取り入れたよね。

〇以前鳥居さんに話を聞いたときに、「あれこれ言うのが好きじゃない。だから結果で引っ張れれば」とおっしゃっていました
三嶌:すごくわかります。そういう方ですよね。結果重視。鳥居先輩も中島主将も、自分たちのことだけじゃなくてどんな立場の人も、選考会に出られなかった人の分も、私たちみたいに結果を残せたペアのことも、すごく温かく見守ってくださってすごく平等に見てくださる方で。偉大な方だなって思います。

〇これからどういう練習をしていこうと考えていますか
原田:まだ次誰と組むかわからないんですけど、やっぱり練習する上でまず構成を全部決めたあとに、ちゃんと練習だけじゃなくてその人のことをちゃんと理解してから練習をしていきたいなと思ってて。その人の癖も性格も全部理解した上で話し合いを大切にして、がむしゃらな練習をしないで一個一個集中してやっていきたいなと思います。

三嶌:珠生とやっていて感じたのは、やっぱりその相手のことを理解するのはすごく大事だなと。具体的に言うとお互いなんかアクシデントが多かったんだよね(笑)

原田:私ベトナムに行ってたんですよ。勉強してて、帰ってきたら骨折してて。

三嶌:関東大会間に合うかなって感じになって、やっぱりすごく焦りを感じたんです。でもアクシデントが多かったからこそ、相手を理解するっていうことを覚えまして。そのとき鳥居先輩にも「焦っちゃダメだよ」って言われたんですけど。焦らない、がむしゃらに練習するのではなくて、目標を立てて、相手のことを理解しながら練習するっていう大事さを知って。関東で誰と組むかはわからないですけど、そういう方法でやっていきたいなって思いました。

〇では最後に、来年5月の関東に茶帯で出場する際の抱負を聞かせてください
三嶌:それはもちろん優勝です

原田:もちろんです。入賞は絶対します。入賞して、できればメダルよりもトロフィーかな。

三嶌:今回の全日の選考会があったりした中で、もちろん優勝を狙ってたしこれからも狙うんですけど、結果だけじゃないっていうのもわかったね。

原田:今回もらったのって賞状なんですけど、賞状は紙だからトロフィーとかと違って重さがないんです。でも、6位だけど、今まで詰まってきたものが重すぎて。選考会前にドタバタがあって、選考会勝って、でも相手のペアのこともあって入賞は絶対しようと思ってて、先輩たちに感謝もあるし、すごい重い賞状で。でもやっぱり立教に1位を持って帰りたいです。

三嶌:新人戦が終わってからの二ケ月、ずっと集中力を保つってけっこう大変だったんですけど、ずっと保ってこれたのは選考会で戦ったその一組のおかげだなっていうのはすごく思って。それでずっとどっちかが絶対出れないっていうことになるので、そこはもう同期で割り切って戦ったんですけど、本当にその組がいなかったら、2ケ月ピーク持ってこられたかっていうのはわからないので、本当に感謝です。


  今大会では結果を出せた選手も出せなかった選手もそれぞれ成長を見せた。幹部も交代し、主将中島を中心とした新体制は既に始動し始めている。4年生の思いを引き継いだ彼らはより力強く成長して、必ずや春の関東大会で「躍進」を遂げてくれるはずだ。


選手の皆さん、ありがとうございました!!


(インタビュー:古川香菜子、島崎まりん、佐々倉杏佳、阿久津祐朔/編集:島崎まりん)


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