ストーリー

 

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 二年前、ひょんなことから付き合うことになった聴覚障害者のエリカと、健聴者のタクヤ。しかし、付き合っていくうちに、大きな壁が二人の間にあることに気づき始める。

 ろうの世界と健聴の社会・・・。エリカ自身は「人より聞こえ方が悪いだけ」と自分を「ろう」ではなく「難聴」と位置付けている。だが、健聴の社会からは「聞こえない人」と言われ、聾社会からは「健聴者と一緒にいる健聴側の人間」と区別される。そこから生まれる疎外感。エリカ自身、自分がどちら側の人間なのかがわからなくなっていた。

 それに対し、エリカの親友コトミは「ろう」として自信を持って生きている。コトミは「聴者にはろう者の気持ちがわからない」と、エリカがタクヤと付き合うことに反対していた。それでもエリカはタクヤの愛を信じ続け、二人はお互いの世界を分かり合おうとしていく。エリカはタクヤと一緒にいるだけで幸せだった。

 そして、付き合って一年。二人の心には、隙間風が吹き始めていた。聞こえないことに原因があると感じたエリカは、健聴に近づこうと懸命な努力を始める。

 しかし、タクヤは「ろう」として堂々としているコトミにひかれていたのだった。次第に、健聴者に対して頑なだったコトミの心も動かされていく。コトミにひかれているにもかかわらず、エリカへの思いも断ち切れないでいるタクヤ。エリカは離れがたい気持ちをおさえ、自分からタクヤに別れを告げ、一人で前に進もうと旅立って行った。

 

 

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 聴覚障害者のエリカと健聴者のタクヤの別れから1年。二人をとりまく状況は大きく変化していた。「ろう」としての自分に自信と誇りをもっている、エリカの親友コトミ。

 タクヤはそんな彼女にひかれて付き合い始めたが、「ろう」としての彼女の思いを受けとめきれずにいた。

  一方、タクヤのもとを旅立ったエリカは、今もまだ「ろう」ではない「難聴者」としての自分の居場所をさがしていた。そのエリカの前に立ちはだかる大きな壁。

 不安でたまらないエリカは、再びタクヤに救いを求めてしまうのだった。そして、そんなエリカをいつもそばで見守っているエリカの友達サトル。彼の静かな思いはエリカに届くのだろうか。

  タクヤ、コトミ、サトル、そしてエリカ。それぞれの思いをのせ、ラストシーンに奇跡は起こるのか…。

 

 

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相良エリカ・・・難聴者。A大学心理学部3年、21歳。聞こえの度合いは100デシベル程度だが、子供の頃から普通学校に通う。タクヤの元恋人。

神山タクヤ・・・健聴者。B大学経済学部4年、22歳。手話サークルで手話を学ぶ。二年前サークルのコンパでエリカに出会い、付き合い始めるが、次第にコトミに惹かれ付き合うことになる。

藤井コトミ・・・ろう者。21歳。専門学校卒業後、会社勤めをしているエリカの幼なじみ。ろうの両親のもとに生まれ、ろうであることに誇りを持ち、音声言語は使わない。一年前からタクヤと付き合っている。

田中サトル・・・中途失聴者。C大学心理学部3年。中学に入ってから突然失聴する。聞こえない学生が集まる会でエリカと知り合う。

 

 

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