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2013年度 第6回父母教室

自然・いのちを見つめて 写真展と講演

2014年最初の父母教室は、講師に写真家の松村誠さんをお招きし、写真展を開催しつつ、お話を伺います。
写真家・デザイナーとしての働きを通して、また様々な活動を通して、見えないいのちの世界を表現しておられます。本校との関わりでは、生徒たちに礼拝の中で渡す誕生カードを、松村さんに制作して頂いています。
奥様の闘病を2人のお子さんと一緒に介護し、看取った経験と、それを通して感じたことなどを含めてお話しくださると思います。
当日ご来場の皆さまには、松村さんの写真とデザインによる本校特製誕生カード3枚セットをプレゼントします!
また、松村さんの写真やポストカードなどの販売も行う予定です。展示の写真についても、プリントをご注文いただくことができます。恒例のお茶の時間も予定しています。どうぞ皆さまふるってご参加ください。

立教池袋中学校・高等学校 チャプレン 市原 信太郎

 
講師: 写真家・グラフィックデザイナー 松村 誠氏
日時:2014年1月28日(火)14時15分〜終了後、お茶の時間
場所:本校2階大会議室
 

講師よりのごあいさつ

妻が悪性脳腫瘍であることがわかった2000年の夏、彼女は28歳、長女は4歳、そして長男はまだ1歳半でした。それから何度もの手術やあらゆる治療を経て、彼女は11年間の闘病を通して精一杯自分の命を生き抜き、人生を完成させました。辛くなかったとは言いません。でも、たくさんの友情に包まれ、数えきれないほどの笑いと涙を体験し、とても幸せでした。大事なのは『生きた時間の長さ』ではなく、『どう生きるか』なのだと思います。『死』を見つめることを通して始めて『生』は見えてくるのですね。
牧師として僕が見つめてきたことも、写真家として自然の中にこれからもずっと見つめようとしていることも、同じことです。それは、あらゆる『いのち』が根源的な『いのち』につながっているということ。そして『いのち』はよろこびであるということです。
長女はこの春、高校3年生になり、長男はまもなく高校受験です。僕は父親であると同時に母親の部分も担う必要に迫られますが、それには限界があります。何とも難しい時期ですね、ことに女の子は... 葛藤の中で歩んでいます。
お話したいことはたくさんあるのですが、正直なところ、限られた時間の中で上手にまとめられる自信はまったくありません。でも、みなさんにお会いできることを楽しみにしています。
 

松村 誠

松村 誠
大学在学中に写真家•星野道夫氏に出会い、彼の写真と深い精神性に惹かれ、写真家を志す。
1989年、ユネスコ世界文化遺産主席写真家•並河萬里氏に師事。1991年、北極圏アラスカ撮影中の気づきを機にキリスト教司祭の道へ。牧師、自然写真家として命を見つめる。悪性脳腫瘍を発症し2000年より闘病生活を続けてきた妻のターミナル(終末期)を自宅で過ごすために介護に専念するべく2008年教会牧師を退職。妻の介護をしつつ、在宅仕事としてグラフィックデザインを手がける。2011年、妻を看取る。
現在は写真を通して「見えないもの」を表現することをテーマに、写真家•グラフィックデザイナーとして活動を続ける。高2の娘、中3の息子の父。写真&デザイン事務所Forest主宰。