♯26阿部加奈子(文4・かい)

全部出すことの難しさ
  試合が終わってしまったときは、「もう終わっちゃたんだという気持ち」でした。泣いちゃいました。やっぱり勝負って難しいなって思いました。50分間で全部を出し尽くさなきゃいけないじゃない。FINAL4は今までのリーグ戦と違って負けたら終わりだったので、ここの50分で今までのことを全部出すというのが、やっぱり難しいなって思いました。全力を出し切れた部分もあり、出し切れなかった部分もあり…。でも基本的に立教がボールを持っている時間が少なかったので、もっと、もっとボール欲しかったなって。もっとこのメンバーでラクロスをしたかったです。福島から来てくれた両親も、「泣くな、泣くな」って。あまりいいエピソードにはなりませんが、ありがとうという気持ちです。

一流であるための準備
  立教はとてもさばさばとしたチーム。常に練習でも、全力を出して準備して、グランドで出し切って、一流の準備をして、それで負けた時には負けを受け入れられる自分でいよう、という考え方なんです。それがチームの全体的な考えなので、本当、泣くというのも実はらしくないことで。そうは言っても感情の部分は溢れるものが止まらないものがありました。でも、チームとしては一流を目指しているので、全力で戦って50分後を勝っているということを目標に、今を全力で過ごす。それでも負けたら、それは受け入れようという感じなんです。それは実は勝つことよりも大変で。立教は常に、その先、その先を、20年後を変えようよというようなことを言って新歓もするんです。私も、勝ちたいという思いの先にあるものを目指して、どんな状況でも自分でいられるようになりました。追い込まれた状況でも、今までやってきたことを信じて、どういう自分でいられるかを楽しもうよと考えるようになって。試合に出ていないメンバーのそういう思いも背負って試合に出てきたので、最後にちゃんと一流の姿勢で「ありがとうございました」を言えるようにやってきました。

与えてくれる人たち
  私は、もし女子ラクロス部に入らなかったら、何も考えずに馬鹿な人間で終わっていたと思うんです。この4年間、すごく自分と向き合い続けました。めちゃくちゃ弱い自分とか、ビビりで、ネガティブで、そういう自分と向き合い続けて、しかも周りにも強烈にいろいろな刺激与えてくる同期もいるし、頭のおかしなコーチもいる。もう本当にたくさんのものを周りから与えられて、それで自分と向き合えて、弱いところとかは見たくないけれど見続けて、夢みたいな4年間だったと思うんです。自分の中で、この4年間は重いもので強いものになったなと思います。

立大体育会を引っ張る存在に
   うちの部って何だかちょっと他と違うと思いませんか?いろいろなところまで手を伸ばして。一流とか言っちゃって。創部25年目の新しい部活ですが、女子部では人数も一番多いし、女子の体育会を引っ張っていくつもりで、しかも一番強くなりたかったんです。でも、ローラーホッケー部さんに先を越されてしまいました。本当は4月の新歓号で「立教スポーツ」の1面を飾りたかったのですが、持ち越しになりました。加えて、HCの壮さんの力も大きいです。壮さんじゃなければ、ラクロスをやっていても私はそんなに成長しなかったと思うんです。いいコーチです。本当に立教じゃなかったら、自分はここまで来られなかったので、みんなにありがとう。言いたくないんですけど、色んな人にありがとうの気持ちです。


♯28池田千夏(社4・ちなつ)

ユニフォームの重み
  私はそんなに上手い選手ではないので、4月の準リーグでユニフォームを着て、また5月に着て、毎回毎回これがユニフォームを着る最後かもしれないと思って1年間やってきました。4月に初めて準リーグのメンバーに入ったのですが、いつもこれが最後かもって思ってやってきて、なのにここで最後にユニフォームを着させてもらって、しかも4年生のみんなと一緒にっていう機会をもらって。これは4年生だけの力ではなくて下級生の力も借りて成り立っているわけで。ほかの下級生が試合に出る機会を奪ってまで4年生が出てると言い換えることもできると思うので、本当に感謝しています。

支える側からプレーヤーへ
  私は2年生の時に女子ラクロス部に入部しました。1年生の時はアメリカンフットボール部でマネジャーをやっていて、1年生の2月から途中入部で入れてもらったんです。マネジャーやっていた理由は、高校の時に自分がプレーヤーでずっと支えてもらう側だった分、支える側をやりたいと思ったからで。でも、アメフトをやる選手を見ていたら自分もスポーツをやりたいなって思って転部をしました。転部をしてから、私は神のようなずば抜けた運動神経を持っているわけではないので、当然上手くいかないことばっかりで。でも、この女子ラクロス部の特徴ってプレー以外にいろいろなことを頑張っている人がたくさんいる部活だということで。私が2年生で入ったときに、自分が全然プレーの面で上手くなれないときでも、いろいろなことを頑張っている同期の姿があって。その同期の姿に引っ張られるように自分も頑張れてこられたんだなと思います。

"不完全"に耐える
  この部に入って成長できたことは、受け入れること。できない自分や上手くいかないことにいっぱい出会って、でもできないから諦めようとか、やめようとか開き直るのではなく、できなくても自分にできることを探せるようになりました。自分の持っている力を最大限に出すこと。それが他の人よりも小さいかもしれないけれど、その最大限を出すことで何かが変わるかももしれない。自分にできることを一生懸命やることは学んだし、成長できたと思います。あとは、不完全に耐えること。準リーグのメンバーが発表されるのとかは本当に直前で、自分が入れているかどうかも分からない。2月とか3月とかBチームとか代表、サテライトを固定しないでやっていて、その中で自分が今どの位置でいるのか、どんな感じでやれているのか…上手くなれているのかわからないけれど、その状態のい耐えて頑張ることがすごく大切だなと思います。

未完成のスポーツ
  私の思うラクロスとは、未完成のスポーツ。どんどんこれから成熟していくスポーツだと思っています。アメフトのマネジャーをやっていたから自然と比べちゃうのですが、アメフトって全部プレーが決まっているけれど、ラクロスは戦術とかがまだ開発されている途中なんです。そういった意味でスポーツとして未熟というか未完成な部分が多いのかなって思いますね。だからこそ、これから1年生はあと3年間、2年生はあと2年間、3年生は最後の1年間。本当に大変なこととかがたくさんあると思うのですが、それを超えた先の自分にぜひ出会ってほしいです。


♯29梅津良美(文4・かず)

やるべきことをやる
  FINAL4では結果的に負けてしまったのですが、最後まで楽しめたかなと思います。100%出せたと言われればそうは言えないですが、自分らしいプレーは出来たんじゃないかと。焦ることはなく、前半で逆転を許した時も、残りの25分でまだまだ半分残っているわけだからそこはいけると思いました。結果的にはいけなかったわけですが、50分で勝つということを胸に戦えたのかな。慶大は昨年も敗れた相手ですが、やることをやれば勝てる相手だと思っていて。10回試合したら6回は勝てるだろうなっていう自信はあったのですが。絶対勝つというのはあくまでも不確定要素。だからそれは言葉にはしないですが、自分たちのやるべきことをやれば、結果はついてくるからって信じて戦いました。えながら、最後の2年は特に出来たかなって思うのでよかったかなって思います。

演じきること
  この4年間で、私はすごく成長したと思います。本当に私、ネガティブだったんです。でも、4年生になって責任を負う立場になって、上に立つ人がネガティブだったら嫌じゃないですか。だから、自分がチームを引っ張っていこうとか、周りからどう見られているのかということを意識して頑張ってきました。ネガティブな部分を見せないように演じきるというような。そういうメンタル的な部分で成長したなって思います。引っ張っていくことは大変でした。でも、頑張りすぎちゃいけないなって。ある程度後輩に任せることや、自分がやることを上手く分担していくべきだということを学びました。

同じ絵を描く爽快感
  私にとってラクロスとは駆け引き。ディフェンスって、アタックに「やられる」というよりは「どうやらせるか」だと思うんです。左に行かれた、ではなくて自分が行かせたみたいな感じで相手を誘導するんです。それが上手くいった時は「やってやった!」って。その感じが楽しいですし、チームで思い描いてる事が一緒だった時に本当に楽しいです。私がこう行ったから別の人も連動して、次の人も連動して、みんなが同じ絵を描いているから、「よし来た!」という感じになれるのが本当に気持ちいい。勿論苦しいときもありました。それでも続けてこられたのは仲間がいたからです。結構落ち込んでいる時とかに、本当にチームメイトが支えてくれて。ここに留まることが出来た。特に私の尊敬する♯36みっきー(加藤)には本当に心の支えになってもらって。私が悩んだり、落ち込んだりしているのを察してくれて。「大丈夫?」とか、「もっと自信持ちなよ!」と向こうから言ってくれるんです。彼女は本当に人格が素晴らしい人です。

認めてもらえる場所
  この部の良いところは認めてもらえること。別に1年生とか2年生とかが出しゃばっても正しければ絶対認めてもらえるし、出たら打たれるということは全くないので。そういうところは本当にいいところだなって思います。人数がいる分だけ伸びしろがあるというか、自分が頑張れば、頑張っただけできる場所だと思っています。私も、最初はラクロスをやりたいとかは思っていなくて。でも新歓の時に出会った人たちを見て、「なんでこういう人たちになれるんだろう」と思ったんです。私もこの組織に入ればこういう人たちになれるのかなと思って入部をしたんですね。これからラクロスは多分続けないと思うのですが、審判としてまた別の形からラクロスに関わっていきたいと思っています。

<次ページへ続く>
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