♯39望月麻衣(コ4・まいまい)

絶対に何か得てやる!
  この4年間を一言で表すのは難しいのですが、ただ楽しかったのではなく、いろいろ辛かったこととか厳しかったことがたくさんあって。限られた時間の中で4年間ラクロス部に入るということは、たくさんの選択肢がある中で、その他を捨ててラクロス部に入っているという意識で部活に取り組んでいたので、「絶対この部活で何か得てやろう」という気持ちで臨みました。実際に4年やって、確実に1年目と比べて確実に変わっていると思うことがあって。どんな時でも感じるんですけど、例えばこうしてインタビューを受けているときとかでも、話す内容は絶対に変わっていると思うんです。この部に入ってよかったなと思っています。

開き直る力
  100人もいる部活、しかも日本一を目指す部活にいて、自分が存在意義を積極的に作っていかないといけなくて、それを作るためにはどうするかをたくさん考えました。やはり試合に出られないことというのは初めてでしたし、リーグ戦メンバーに選ばれなかったことも経て、世の中うまくいかないなということを体感できたことが大きかったです。開き直る力ですね。それでも続けてこられたのは、ありきたりになってしまうのですが、メンバーが魅力的な人しかいなかったから。実際今まで生きてきて、すごいな、と思える人とそんなに出会ってこなかったのですが、入った途端に同期、後輩からも学べるとこがたくさんあって。最初はそれを負い目に感じていたこともあったのですが、それが幸せだったなって。それがなかったら、続けることができなかったなと思います。

上手くいかないことはラッキー
  この部活にいると、正直上手くいかないことばかりだと思うんです。ですが、後輩たちには上手くいかないことを逆にラッキーだなと思えるようになってほしいです。こうやって、楽に過ごそうと思えばそうやって過ごすことのできる大学4年間を、この女子ラクロス部でそのような経験ができて本当によかったな、と今では思えるくらいです。なので、そのような壁にぶち当たったら考えてみてください。


♯51山本ゆり(文4・ちろ)
「人生」
  女子ラクロス部での4年間は、一言で言うなら、「濃い」。濃い4年間でした。濃かったのはメンバーもそうですし、ただ単純に自分が内容として濃かったなと。ただ楽しいだけではなくて、むしろ苦しいことのほうが多い。その中で、周りの人に支えられたり、周りの人とぶつかったりしながらも、自分かどうあるべきか考えさせられたりしました。これは「人生」ですね。

期待の1年生へ
  自分はプレーヤーというよりは、ずっと育成担当をやらせていただいて、今は1年生を見る学生コーチという立場です。新人戦が終わるまでは気持ち的にまだ引退ではないのですが、ただ本当、自分がコートに立つのは最後だったので、やはり感慨深いですね。次に1年生でエースになりそうなのは♯59なぎ(松元=観1)。彼女は本当にいい意味でしっかりと芯を持っていて、たくさんのものから吸収して自分のものにする、新しいものを作れる人なんです。なので、この立教女子ラクロス部を新境地に連れて行ってくれる人だと思います。期待しています。♯24きゃりー(大山=社1)も良いキャラクター。今後プレーする中でも、自分の日常生活のキャラクターをもコートの中で発揮して、盛り上げるという役割を務められると思います。

絶対的な正解はない
  自分は学生コーチという立場に立たせて頂いていたので、声掛けとか、何かしらがきっかけになって、自分が声をかけた人が「成長しよう」となっている姿を見る時が、私にとって一番やりがいがありました。彼女たちには、「正解はないよ」ということを言いたいです。周りから、コーチから、こうしたほうがいいってたくさん言われると思うのですが、結局選択するのは自分なので。その実感を、誰かに言われたからというのではなく、そうやって失敗したらその人のせいにできてしまうから、そういう意味で、絶対的な正解はないよ、とアドバイスしたいです。自分の中の正解をどんどん見つけてほしい。絶対的な正解はないんです。


MG佐藤希美(現4・のん)

背中押せる存在に
  私にとって、考え方を変えてくれる4年間でした。もともとプレーヤーとして入部して2年間やったのですが、自分とみんなとの実力差があって。そこで自分がどのように役に立てるかと考えたときに、たまたま自分の学年にマネジャーがいなかったので、最上級学年になった時に自分がマネジャーとして役に立てると考えました。結果として3年生からマネジャーになったのですが、会員証の関係でリーグ戦に出られず、3年生なのにリーグ戦に出られないという口惜しさの中で1年間すごして、その1年間でただ見てるだけでなくて、この部活には筋肉の疲労のことなどについて他の体育会と比べて知識がなかったので、積極的に講習会とかに参加して、身に着けて。結果として、4年生になって代表のマネジャーになって、みんなの背中を押せる存在になれたのかなという感じです。

離れたくない場所
  この部を続けてこられたのは、やっぱりこの環境から離れたくない、と思わせてくれる雰囲気なのが大きかったですね。もともと中高は吹奏楽部で、文化系の部活に入っていたので、大学に入って、変わってみようと思った矢先がガチガチの体育会系。でも、そこで辞めるという選択肢がなかったんですよね。そのくらい学年も大好きでしたし。照れちゃってちょっと言えないのですが、みんなのことを支えられるというのがあったらいいなと思ってマネジャーになったんです。私の学年はもともと入部数が少なかったので、大きな派閥も生まれず団体で行動、付かず離れずって感じで、上手く人と関われるという人が多かったのではないかなとも思います。

後輩マネジャーたちへ
  マネージャーの後輩に向けて。私は3年生からマネジャーになったのですから、1年生から入ってマネジャーをやってきた子たちはキャリア的には私より先輩なので、途中から私が入ってくるのはすごい複雑だったと思うんです。そんな人が今年、代表としていろいろなことを引っ張っていかなくてはならないのに、キャリアもないですし、気づきも遅い方なので、後輩に助けられてばっかりで。彼女たちには本当に感謝しかないですね。面と向かって「ありがとう」とは言わないのですが、本当に助かっていました。

新境地
  経験を埋めることもあり、テーピングとマッサージ系の講習会にはちょいちょい行っていました。知識不足が露見してしまって。リーグ戦の時も、試合中とかに選手が捻挫をしてしまって、その瞬間に処置をしなくてはならない場合が万に一つでもあったら、その状況に対応しなくてはならないので、それが怖くて怖くて仕方なかったですね。臆病なんです。でも、選手からマネジャーになることへの抵抗はなくて。それこそ、新しい学問というか、新しい知識が入ってくるのが楽しくて仕方なかったですし、元々スポーツを見るのも好きだったので、そういうことが部員に生かせることが分かって楽しくて仕方がなかったです。リーグ戦もみんなの足とかを任せてもらえましたし。♯1えりこ様(白城)の足とかも任せていただけて、本当にありがとうございました。えりこ様の足を守ったのは私です!


佐藤壮HC(99年度卒)から4年生へ
  本当に今年の4年生は僕が見てきた中でも仲が良かったし、何で仲良くなれたのかと言ったら結局、自分とは似ていない人とも仲良くなれること、つまりは自分が受け入れること、自分が変わっていくことと直面することが一番多かったからだと思います。だから1年生の時は理解しあえていなかったのが、「どうしてだろう」と繰り返すことによって、最終的にその人の気持ち、一番遠いところにいた人の気持ちも理解しあえるようになった。そのような力はきっと社会に出てからも役に立つし、身を助けることもあると思うので、それを武器に社会で活躍する女性になってほしいなと思います。
  世の中は、思い通りにならないこと、理不尽なこともたくさんある。でも、そういうことに対して何もやらずに腐るのではなくて、その理不尽さを理解した上で自分のベストを尽くすということを頑張ってきた4年間だったと思います。それもこれから先の人生においても必ず役に立つことなので、武器にして今後の人生も頑張ってもらいたいです。

  選手たちへのインタビューを終え、何よりも驚いたのは彼女たちの視野の広さだ。FINAL4が終わったとき、ある4年生選手に心情を語ってもらった。悔しさを胸に閉じ込め彼女が語ったのは、負けを受け入れること、自分たちの将来のことであった。「20年後を変えていこうよ」。これが彼女たちにとって競技を続ける最大の理由。彼女たちにとってのラクロスとは、単なる競技ではなく、自己の立ち位置を確認し、将来を形作っていくプロセスなのだ。誰もがいかにチームに貢献できるかを考え続けている。目の前の試合ではなく、遠い未来を見据え自分に問い続けてきた4年間は、不安に駆られ辛い日々でもあっただろう。しかし全てが終わった彼女たちの表情はしなやかな強さで溢れている。4年間で培ったこの強さが、彼女たちの未来をより豊かなものにするに違いない。


(2月3日・文責:吉田健人/編集:高宮明日香/インタビュー:高橋里沙,高宮明日香,古川香菜子,斉藤麗央,吉田健人)
<                         8



Copyright (C) 立教スポーツ編集部, All Rights Reserved.